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2016.07.16 (Sat)

トリックテイキング戦い方理論基礎編

トリックテイキングゲームの戦術理論に関して、
ある程度考えがまとまってきたのでアウトプットしてみる。
トリックテイクわかんねーよ!」と言ってた時からすると大きな進歩である。

ただし、ここで言及するのは本当にベーシックなトリックテイク、
つまり「1人1枚カードを出す。マストフォローで一番トリック取った人が勝ち」
というタイプのゲームを想定している。(※切り札ルールもなし)

トリックテイクで何を目指せば良いか。無論誰よりもトリックを取る事である。
しかし手札が常に最強の布陣になってる訳もなく、簡単にはいかぬ。
そこで考えるべきは効率という話になる。如何に無駄なくトリックを取るか。
つまり「最小戦力でトリックを取るにはどうすれば良いか」が焦点となる。

大まかな戦術は2つである。
1つは「数値ロスのないカードプレイ」、もう1つは「リードカラーで封殺」。
それぞれに関して解説する。

1.数値ロスのないカードプレイ
例えば、自分の前3人がハートの2、3、4と出してきて、最後に自分が5を出して
トリックを取ったとする。これは数的に1多いだけの最小の支払いで取れたので理想的である。
もしここで出すのが13とかだと明らかな過払いとなる。
(ハートがそれしか無かったのなら仕方ないが)
もっと悪い例としては、自分が三番手で12を出したら、最後のプレイヤーに13を出された、等だ。
強いカードを出したにも関わらずトリックが取れないというのは大損害である。

では出来るだけロスを出さずに動くにはどうすれば良いか?
最も簡単な方法は自分が最後手番になることである。
つまり、自力でトリックが取れるか怪しい時は、あえて自分の右隣りにトリックを取らせるのだ。
裏を返せば、自分がスタートプレイヤーの時に、右隣りが持っていないと
分かっているスートをリードカラーにするのは堅実ではない。
(ラン戦術を試みる場合は除く。※ランについては後述)

ただしこの戦術は、手札にスートが豊富に揃っている序盤にしか通用しない。
スートが枯れてくる後半戦になると、最後手番になれてもリードのスートを
そもそもフォロー出来ないケースが多々でてくる。

2.リードカラーで封殺
これぞまさにマストフォロールールの醍醐味。
どれだけ弱いカードであっても、他のプレイヤーがそのスートを持っていない、
あるいはその数字より低いカードしか持っていないのであれば、それは最強である。
しかもトリックを取ると、またスタートプレイヤーになれる。
そのスートのカードをまだ持っていれば、そこからは無双が始まる。
トリックテイクで最も強い勝ちパターンである。
実際の所、その前までの動きはこのパターンへ持ち込むための布石と言っていい。

この特定のスートで勝ち続けることを業界用語で「ラン」と呼ぶ。
特に、特定スートの上位を独占してる場合は非常に狙いやすい。
例えばハートのA、K、Qを持っていれば、Qをリードした時点で勝ち確。
そしてその後K、Aとリードする、もちろん勝つ。その間にもマストフォローで
他プレイヤーはハートを失っていくので、
その後でなら弱いハートをリードしても勝てる確率が高い。
こういった連打を浴びせられるパターンに持ち込めるのであれば、
冒険をしてでも(数値を過払いしてでも)スタートプレイヤーを狙うことは意味がある。

しかし、いつも上位カードを綺麗な階段状で持てるとは限らない。
間が飛んでるかもしれないし、階段状にはなってるけど低い数字かもしれない。
ではどうするか?
間の数字が先に出たのを確認してから仕掛ければ成功率が上がる。
無論、時には情報が不完全な状態でも仕掛けねばならない時が出てくるだろう。
これがいわゆる勝負所と呼ばれるやつである。
まぁこの辺まで来ると中級者の話なのでこれ以上は割愛。

おわりに
ここまで読んだ人は大体察しがつくと思うが、トリックテイクの手札で色数が少ない(偏ってる)のは
基本的に不利である。まずフォローできない事には絶対にトリックが取れないからだ。
(裏を返せば、リードカラーはそのプレイヤーが多く持ってるスートの可能性が高いというヒントになる)
もちろん、自分が多く持ってるということは、他のプレイヤーはそのスートをあまり持っていないはずで、
リードさえ取れればチャンスはある。問題はどうやってリードを取るかだが…
ここから先は細かいシーン別解説みたいな話になっていくので基礎編としてはここまでとする。
お疲れ!解散!
20:53  |  ゲーム探求・思想  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.05.20 (Wed)

デザイナー、8つの民族

※これはジョーク記事です。真に受けないようにしましょう。

現在、ゲームマーケットで活動しているアナログゲームデザイナーは8つの民族に分類出来る。
1.ゲームマニア族
2.IT技術者族
3.大学生族
4.リア充族
5.ベンチャー族
6.デザイナー族
7.デジタルゲーム族
8.漫画家族
の8つである。上から順に多い想定で並べている。

以下に各民族の特徴を述べる。
1.ゲームマニア族
熱狂的なボードゲームファン。好きが高じて作るに至ったケース。
ゲームマーケット黎明期から活躍し、経験・ゲーム知識ともに最も豊富である。
一方で「海外の優れたゲームに追いつかねば」という偏った考えがあり、
昨今の人狼(コミュニケーションゲーム)やリアル脱出ブームを冷めた目で見ている。
また、歴の浅い人間に対してはしばしば高圧的な態度を取る。知識語りが大好き。
ちゃんとしたボードのあるゲームを作ろうとする者は大体ここに分類される。
作るゲームはしっかりとした骨太なものが多いが、派手さはなくマニア向け。
良くも悪くも殻の中に閉じこもりがち。ある意味もっともストイックな民族である。
しかしその辛さに耐えかねてか、最近は減少傾向に転じている。

2.IT技術者族
子供の頃はゲームクリエイターに憧れていたが色々あってゲーム会社には就職せず、
IT業界の荒波に揉まれ摩耗する中、ふとしたきっかけからアナログゲームに出会い
「人間に処理を丸投げしてもいいんだ!」と深い感銘を受け、一気にのめり込んだケース。
(背景が妙に生々しいことに関して詮索してはいけない)
仕事柄システム設計が得意で、説明書を書くのも普段仕様書を書いてる流れで割と得意。
また、システムの無駄の無さ、例外の無さに偏執的な美学を持っていることが多い。
しかし実際に遊んでみると「よく出来てるが楽しくはない」という理論先行パターンに陥りがち。
デジタルゲームに対しては夢を諦めた手前、辛辣に当たる者も一部いる。
ただし任天堂に対してだけは手放しで褒め称える。花札を作ってた会社は別腹らしい。

3.大学生族
TCGから入ってきたケース。
経験・知識・技術ともに未熟だが有り余る時間と若さでカバーする。
常識に欠ける囚われていないため、時に非凡なセンスのゲームを出してくる。
一方でとんでもない駄作(既存作の劣化コピー品)を出してくることも多い。
基本的に仲間複数人でつるんで製作することが多く、テストプレイ環境は充実している。
奇想天外な爆発力という意味では最もポテンシャルを秘めているが、
説明書を書く力には決して明るくないのでまず読めない=遊んでもらえないパターンも多い。
また、金銭感覚にも明るくないため平然と価格破壊を行ってくる。この野郎。

4.リア充族
別名Podcast族。人狼ブームから入ってきたケース。
人狼の流れを汲んで、コミュニケーションまたは正体隠匿ゲームを作る傾向にある。
交友関係が広いためテストプレイ環境が充実しており、
知識ではなく感覚でゲームを作る天才肌タイプが多い。
コミュ力の高さからか、説明書も読みやすいことが多く、内容も独創的で侮れない。
面白い奴が作るゲームはやはり面白いことが多いのだ。
ブームを背景にした環境の良さもあり急速にその数を増やしている。
ゲームマニア族とは対極的な位置関係にあり、目の敵にされているようだ。

5.ベンチャー族
大学生族とリア充族を足して2で割ってベンチャー精神を加えたケース。
「一旗あげてやろう」という気概があるため精力的に活動するが、
やる気が空回りしているのか、胡散くさい集団も少なくない。
やる気を見せるだけあって独自のコネクションを持っている所が多く、
意外な流通網の広さから、(内容の割には)意外な売上数を叩きだしてたりする。
営業って大事ですね…!
個人より動かせるお金が多く、立体的な独自コンポーネントでも作りあげる。
マネーパワーisゴッド。ある意味もっとも勤勉な民族(そうでなければ死ぬから)。

6.デザイナー族
普段はグラフィックデザインを生業としている民族。
どこ経由で入ってきたのかは謎に包まれている。
 (趣味の小物作りからコンポーネント繋がりで入ってくるらしい)
周囲から頭ひとつ抜けたオシャレな外観デザインで出してくるため注目を集めやすい。
一方で、「見た目の割には」と批判の的にもなりやすい。
このため、初作品が見事完売しても第二弾・第三弾と続ける者が少ない。(デザイナーは繊細)
説明書もパッと見は綺麗で見やすいのだが、ルールの書き方自体は門外漢らしく、
解釈がハッキリしない文章や、例外漏れなども散見される。
これも批判に拍車をかけているようだ。
過度に外観を良くしてしまうのも考えものである。

7.デジタルゲーム族
デジタルゲームがかつての隆盛を失った影響か、昨今はアナログに転向する者も少なくない。
しかし元々ゲームを作っていただけあって、システム・世界観・グラフィック・説明書の
見せ方は勘所を押さえている。転向してすぐにも関わらず実績を残す者も多い。
元々その業界でファンや知名度を獲得している点も強みか。
また、やはりデジタルゲームの流れからか、一人用ゲームが多い傾向にある。
しかしこの分野は全体的に見てもまだまだ未開拓領域が多く、
今後の開拓には期待が持たれる。

8.漫画家族
極めて数の少ない希少種。
自分で絵が描けるためグラフィック費用を浮かすことが出来るのが強み。
ただし絵を描くことに時間が取られてしまう分、他の部分に力を掛けられなくなってしまう。
あまり凝ったゲームを作ることには向いてない。長期的にはデメリットが勝る。
デジタルゲーム族同様、元々のファン・知名度がある点は強み。
一度作って満足し、元の漫画家生活に戻ってしまうパターンが多い。つむじ風のような存在。

さて、8つの民族を紹介した。
単純に一人一民族という話でもなく、中にはハイブリッドや全噛みタイプもいるだろう。
ひとつの物差しとして民族で測ると、製作者達の違った面が見えてきて購入の参考になるかもしれない。
逆に製作者は自分の起源を考え、離れた位置にいる民族と交流をさぐる目安にすると良い。
1民族のやり方だけではすぐ壁に行き当たってしまうからだ。
「これがずっと正解」という楽な道は残念ながら無い。死なない範囲で色んなことをやってみよう!
09:45  |  ゲーム探求・思想  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.03.22 (Sun)

面白そうの基準

前回の記事更新から1ヶ月経ち、
そろそろ広告が出そうということで何か記事を書こうと考えていたのですが、
元々考えていたテーマ、「印刷所選びの考え方」「サークルカットの書き方」
ともに内容が刺激的すぎるということでボツと相成りました。ざんねん…('A`)

ということで、自分の中でもまとまっていない話をダラダラ書き出してみようと思います。
グダグダな話になるかと思いますがまぁ大目に見てね、と。

面白いゲームを作ろう!って誰でも考えると思うんですが、
じゃあその「面白い」、というか(最初のフックという点では)「面白そう」って何なのか?
これは「自分にとって得かどうか」を判断していると考えます。
ここでいう得っていうのは単純にお金の損得って意味じゃなくて、何かしら役立つって意味で。
具体的にこの「得」を分類すると4つに分けられると思います。

①学習効果(シミュレーション)
②共感効果(コミュニケーション)
③問題解決(ソリューション)
④現実逃避(リラクゼーション)


学習効果とは、「これがあれば○○の練習になりそう」という判断で、
将来への投資と呼べるものです。即効性は低いですが生産性は高いと言えます。
共感効果とは、「これがあれば○○さんと仲良くなれそう」という判断で、
社会生活を送る上で高い即効性と間接的生産性を持ちます。
問題解決とは、「これがあれば○○を解決できそう」という判断で、
今まさに困っていることを解消できる強い即効性と生産性を持ちます。
現実逃避とは、「これがあれば辛いことから目を背けられそう」という判断で、
生産性はありませんが即効性だけは極めて高いです。
そして、当然ながら即効性と生産性の高いものほど高い関心を集めると考えられます。

それぞれの評価をまとめるとこうなります。
①学習効果:即効性C、生産性A、関心度B
②共感効果:即効性A、生産性B、関心度B+
③問題解決:即効性A、生産性A、関心度A(※個人差大)
④現実逃避:即効性S、生産性D、関心度C

とはいえこの評価は「一般的に言えばこんなもんだろう」という推測であり、
例えば対人関係が苦手な人、そもそも問題解決や努力が嫌いな面倒くさがり等にとっては
現実逃避の方が魅力的に見えたりすると思います。
また、問題解決は「まさにそれで困ってる人」にはドンピシャですが、
困っていない人には全く魅力的に見えません。問題を抱えてる人の母数が重要です。

ただ、最も安定的にニーズが期待できる項目という意味では共感でしょうか。
勉強が嫌いな人は多いですし、個々人の抱える悩みは多彩で、現実逃避ばかりじゃ状況は悪くなる。
でも仲良くしたい友人が一人もいない人ってのは少数派です。

という観点でアナログゲームを振り返った時に、
「コンポーネントの見栄えが良いか」とか「セットアップ短くすぐに遊べるか」とか
「プレイ後の感想戦が盛り上がるか」とかに重きが置かれるのはよく分かる気がしますね。

そんな訳で、「面白そう」を演出する際は上記の4軸を踏まえて考えるのが良いのではないか、
っていうのと、アナログゲームの場合特にコミュニケーションの円滑剤としての役割を
前面に出すのが良いのではないかという提言でした~
18:28  |  ゲーム探求・思想  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.01.16 (Fri)

トリックテイキングが根付かなかった理由

私は普段ほとんどトリックテイクを遊ばない。
避けているという訳でもなく、単に機会に恵まれなかっただけだ。
そんな折、最新のトリックテイクとして『とりっく&でざーと』を遊ぶ機会があった。
ゲームも中盤に差し掛かる頃、私はゲームを降りたくなった。そしてそのまま大敗した。

初プレイの途中でゲームを降りたくなったのはアグリコラ以来2度目だ。
もっとも、アグリコラの方は
「こちらが明日の食料も分からぬ貧しい生活を送る一方、他の面々は暖かな家庭を築いている。
 同じ条件で始まったはずなのにどこでこんなに差がついたのか……慢心、環境の違い」
という上原浩治気分を味わったためで、とりっく&でざーととは趣が異なる。
(※アグリコラはその後の指導の賜物で、現在では普通にプレイできるようになっている)

とりっく&でざーとで起きた心理的な動きは、
「なにを出せば有効な手か分からない。しかし何か出さなければならない。
 そして行動の是非は暫く後にならないと分からず、さらに点数の付き方は相対的で、
 自分が貧乏くじを引いた分、他の人の利に繋がりやすいというデスマッチ仕様。
 ああ、カードを出すのが恐ろしい。たすけてママー」
という感じだった。

初プレイでいきなり同盟締結と証人追放という、
拡張ルールまで全部入れたのも良くなかったのかもしれない。
しかしそう考えると、とりっく&でざーとは従来のトリックテイクの上に石を積んだデザインなのだろう。
トリックテイクの土台ができている人間でなければその真価が分からない。
なので、トリックテイクの土台を考えてみることにした。

トリックテイクはどう楽しむのか、軽く調べた範囲ではこれといった情報が得られなかった。
熱心なトリックテイクファンがいるはずなのにこれは不思議である。
そんな中、「日本ではトリックテイクが根付いていない」と以前言われた事を思い出した。
正攻法では収穫が得られなさそうなので、逆サイドから攻めこんでみることにする。
つまり、欠点を知ることで裏面にある魅力を炙り出すのだ。長所と短所は源流を同じくする。

調べたところ、参考になる情報を見つけることが出来た。

出したいカードは出せないし、出したいカードを出しても結果が読めないという二点によって、プレイの指針が立たず、勝っても負けても自分の意思決定の結果だという実感が持てず、面白さがわからないという結論になるのではないかと思います。
トリックテイク未経験者に対して何を勧めるべきか~指針と行動~(一年中未来)より抜粋


ところで、トランプと言えば七並べ・婆抜き・神経衰弱しか知らない人に、トリックテイキングを教えると、一番理解しにくいのが、このマストフォローである。時にはよくないルールだと、抵抗をしめす。まず何のためにそう決めるのか、ルールの意味が分からないらしい。尤もこれは、ルールであるという以上の説明はできない。いちいち前述のようなことを述べていてはゲームが始まらない。
(中略)現在は確立したゲームがある。だから「これがルールである」で終わってしまう。しかしゲームの移入期には、もっと困難があったろう。ルールを自制するのは不正の元、間違わないルール、不正しにくいルールがよいルールという論理も説得力がある。 こうして日本には、なかなかトリックテイキングが根付かないのである。
トリックテイキングの宇宙(草場純さんの研究を収集するサイト)より抜粋


上記の見解でほぼ答えなのだが、ここに自分なりの見解も付け加えさせて頂く。
①パスができない
 よくわからないので様子見をする、という選択がシステム上で許されていない。
 渋々取った行動にも容赦なく採点が下り、「Badだ」と告げられるのは著しいストレスを生む。

②システムに欠陥がある
 マストフォローの説明を初めて聞いた人は、次に大体こう返す。
 「そのスートを持っていたのに悪意を持って、あるいはうっかり出さなかった場合はどうなる?」
 そう、マストフォローが正しく運用されているかは当人にしか分からない。
 (後で検証をすることは出来るが、後にならないと分からないとも言える)
 結局どう受け止めるかと言えば、「何だかよく分からないルールだな」となる。
 ゲームの根幹を成すルールの印象が不明瞭であれば、ゲーム自体の印象も当然不明瞭になる。

③駆け引きがカウンティング前提になっている
 トリックテイクは実を言うと実力が大きく反映されるゲームだ。
 ここで言う"実力"が何かと言えばカードカウンティングと精神的揺さぶりである。
 マストフォローという制約がある事で、誰が何のカードを持っている・持っていないという情報が
 少しずつ絞れていき、それを元に戦術を組み立てるのがトリックテイクの醍醐味だ。
 その場のノリでカードを出しているだけでは熟練者には絶対に勝てない。
 もう一つの「揺さぶり」の方は何なのかと言えば、
 あえて最適ではない行動を取ることで誤情報を与え、相手の計算を狂わせる駆け引きである。
 ここまで来ると非常に趣深い遊びになるが、この駆け引きは互いにカウンティングが
 出来ている前提においてのみ成り立つ。初心者に入り込む余地はない。

容赦がないことも、欠陥があることも、実力が問われることも、それ自体には何一つ文句はない。
問題は、そういったゲームであることの事前説明がなされているか、という点である。

人は自分の予測を裏切られると、ストレスが溜まる
【コラム】長考問題を解決する3つの方法(ボドゲ神拳)より抜粋


特に説明がなければ、人は基本的に自分の都合の良いように解釈するし、
ましてやゲームのパッケージがゆるい感じであればガチゲーと予測するのは困難を極める。
そして遊んでみてこう言う「思ってたのとちがう!!」

日本でトリックテイクが根付かなかった理由というのは、つまるところ
トリックテイクの楽しみ方に関する解説が少ない点に尽きるのではないだろうか?

まとめ:
・トリックテイクはルールを聞いてすぐには楽しみ方が分からない部分がある
・事前認識によって受ける印象は大きく変わる
・トリックテイクの楽しみ方が分かりやすくなるよう改良を重ねていくことが定着への架け橋となる
・ちなみに、とりっく&でざーとは従来のトリックテイクにあった課題の対策がなされている
15:06  |  ゲーム探求・思想  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2014.12.29 (Mon)

一人用ゲームの分析

ゲームマーケット大阪に向けて一人用ゲームを作る予定なので
某T氏よろしく、一人用ゲームに関して考えをまとめておこうと思った。

まずは一人用ゲームの有名ドコロをピックアップし、
その特徴を並べることで共通項を探ってみたい。

ロビンソン漂流記:
・災厄を2枚めくってどちらか選ぶ
・体力(有限リソース)を払ってここぞという時に追加ドロー出来る
・勝利すると有用なカードがデッキに入る
・敗北すると体力を削られるが、不要なカードをデッキから除外出来る
・山札が一周するたびに災厄の難度が上がる(計三周する)


オニリム:
・出して引く、の繰り返し
・同色3枚揃えていくのが目的で、色ごとに枚数構成が違う
・悪夢カードを引くと複数のマイナス効果からひとつ選ぶ
・鍵カードを使うと複数のプラス効果からひとつ選べる


シェフィ:
・出して引く、の繰り返し
・不要なカードを除外するのがポイント
・鉄板コンボが存在する
・山札が一周するたびにノルマが上がる


ゴリティア:
・引いて出す、の繰り返し
・ゴリラの数とランクによって様々なスキルが使える
・ターン終わりにフードサプライあり
・山札の枚数構成に調整余地あり


ソルヴァーズ:
・ダイスの出目を項目に割り当てる
・ミッション毎に達成目標、項目が変わる
・ピッタリ達成でボーナスが出る
・キャラ作成時及びレベルアップ時のステータス割り振り
・施設、装備の購入あり


ドワーフの城塞:
・ダイスの出目を項目に割り当てる
・割り振り項目の種類は不変。達成目標は徐々に上昇
・ラウンド毎にどの項目を強化するか選ぶ
・ピッタリ達成でボーナスが出る


全体に共通する傾向として、以下の流れでゲームが作られている。
①毎ターン何かしらの課題が発生する
②いくつかの選択肢から対応を選ぶ
③フィードバックを得る

ただしこれらは「一人用ゲーム」に別段限った話ではなく、ゲーム全般にも言えることである。
目新しい話ではないかもしれないが話を続ける。
極端な話、固定の課題×固定の選択肢×固定の結果ではゲームにならない。
ゲーム、というか装置であるためには変数が必要だ。
という訳で、次はどこに変数を持たせるかという話になる。
先の例に則して簡単に分類してみよう。
①課題に揺れ幅:ロビンソン、オニリム(の悪夢)
②選択肢に揺れ幅:シェフィ、ゴリティア、ソルヴァーズ、ドワーフ
③結果に揺れ幅:TRPG

なんとなく、選択肢に幅を持たせるのが今風という印象を受ける。
ここで幅の持たせ方、いわゆる乱数発生装置について触れよう。
具体的に名前を挙げれば、カードとダイス、この2つになる。

ところで話が横に逸れるが、カードとダイスに続く第三のツールは必要だろうか?
「あるに越したことはない」が答えになるので質問が適切ではないのだが、
かといって何もない所からいきなりやって来てくれたりはしない。

そもそも人がなぜゲームで遊ぶかと言えば、「知る」ためである。
人間という生き物はつくづくポジティブに作られていて、知ることに快楽を覚えるように出来ている。
ゲームを通じて何を知るかといえば、リスクヘッジの手法であったり、発想の転換方法、
もちろんプレイ相手のことだって分かる。
そのために必要なのはツールではなくシチュエーションである。
もっとも、シチュエーションからツールが生まれるとも言えるのだけど。

さて、元の話に戻る。
カードとダイスを乱数発生装置として比べた場合、カードは完全な乱数発生装置とは言えない。
引けば引くほどカウンティングにより、後のカードの目星がつきやすくなっていく。
無論、それをゲーム性として組み込むことも可能ではあるが、
残りのカードの組合せから考えて勝機がない、という事が早々と分かってしまうケースが出る。
新鮮な状況の発生率という点においてはダイスに分があるのではないか?
(カードを引くたびにシャッフルして引き直せば完全な乱数発生装置になるが…)

しかしこれは製作者にとってはあまり嬉しくない話である。
実を言うとダイスは原価が高い、
正確に言うなら、発行部数を増やしてもカードのようにはコストダウンされない。
有能だが出来れば頼りにしたくない、シャアみたいな奴である。
しかしこれは、言い換えれば新しいシチュエーションが発生しているとも考えられる。
新しいツールの土台として検討してみるのも面白いかもしれない。

まとめ:
・選択肢が毎回変化するのが今風
・ダイスは優秀な乱数発生装置である
・しかしダイスは高いので別手段を検討してみたい
15:46  |  ゲーム探求・思想  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑
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