2018.06.23 (Sat)
TCGはどこへ行く?

ここ最近、池っち店長の白旗宣言とも取れる「助けて!」の声を皮切りに、
国内TCGのお通夜ムードはさらなる高まりを見せている。
時同じくして、私もかつてご愛顧していたマビノギデュエルのサービス終了の報が届き、
ついにその時が来たか、と妥当なような、もっと違う道もあったような、言い様のない気持ちに包まれた。
ので今回は、その辺りの話を雑談として適当に書いていく。
日本のTCGが陥っているジレンマに関する個人的な考察
こちらはあいせん氏の記事だ。
主旨としては「過度な競技志向がかえって市場疲弊を招いた」とするものである。
私も同感で、というかTCGに限らずあらゆる場面で同様の現象は起きる。
例えばそれはランクマッチで、全国模試で、ニコニコ動画で、『ランキング』という物差しが導入され、
最初こそ「自分もなにかの拍子にトップテンに入れるかもしれない」と期待し、奮闘するが、
時間が経つにつれ差は埋まらなくなり、それどころか休めばランクはみるみる下がる始末。
番付表を見たくなくても何かにつけ話題に昇って目に入る…そして嫌気が指して、辞めてしまう。
似たような話は格ゲーでもたびたび話題に上がる。
曰く「昔は町のゲーセンで一番強けりゃ天下を気取れた。今はネットでいきなり世界大会だ」、と。
別にみんな世界一になりたい訳ではないのだ(なれるならなりたいけど)。
何のためにゲームするのかと言えば「手軽に気持ち良くなりたいから」である。これを忘れてはいけない。
気持ち良くなるためにたくさんの時間が掛かるだとか金が掛かるだとかになれば、当然ついてこない。
しかしゲーム側はたくさんお金を出して欲しいので、
「あなたは現在◯位ですよ」「バトルで上位入賞すればパックが貰えますよ」とグイグイ来る。
そして競争路線に乗ったが最後、
「さぁ次の新しいカードは強力ですよ。これなしで今後も戦うのは難しいですよ」と営業が始まる。
これでは武器商人のマッチポンプではないか。
人と人を競わせる方向性自体がもう時代遅れになっていくだろうなと私は思う。
どちらかが勝って、どちらかが負けるという構造自体はどこまで行ってもゼロサムゲームで、
その上でトータルの幸福量がプラスに転じるためには、
例えばゲーム自体が面白い、「負けたけど楽しかったよ!」という話であったり、
あるいはバトルを通して交友が広がり、ゲーム外でも付き合う友を得るだとか、そういうシナリオが要る。
人間は利益のないことはやらない生き物である。
間違っても、「負けたら時間の無駄だ、何にもならない」と感じる世界にしてはいけない。
で、こういった話で現在一番成功しているゲームは?となると取り敢えずFGOを挙げる。
基本がRPGなので、レベルを上げて対策を整えれば誰でも勝つことができる。
キャラクターも各地の伝承をベースに個性豊かに取り揃えられており、シナリオ満足度が高い。
何よりコミュニティが非常に大きく育っているため、FGOに関して鋭い考察や面白コメントをするだけで
あっという間に数千リツイートが稼げる。見目麗しいファンアートだって毎日大量に投下される。
つまりFGOを履修しているだけで手軽に気持ち良くなれる確率をグンと高めてくれるのだ。
実にハイパフォーマンスなゲームだと言わざるを得ない。もはやメンタルサプリの領域。
TCGの話に戻って、「売上施策をいったいどうすれば」の話は、つまるところ
「どうすればそれに触れているだけで気持ちよくなるように出来るか」と同義である。
これに関しては例えば、対戦をやめてクエストクリア型の協力ゲーム、
またはソロゲームにするという手が考えられる。
ただ、そうなると紙のTCGではもう厳しい。ハッキリ言って数値管理や効果処理は面倒だからだ。
自分の行動の処理くらいはまだかろうじてやろうと思えるが、
仮想敵のHPや行動フローの管理など全く気乗りしない億劫なイベントである。
なのでこれをやるのなら、デジタル化して自動処理させないと定着しない。
デジタルTCGのもうひとつ良いところは、対戦相手にせよ協力相手にせよ、
CPUプレイヤー(BOT)で賄えるところである。
CPUに負け星を吸ってもらえばゼロサムゲームの均衡を崩すのも朝飯前だ。
くだんのマビノギデュエルはこの点に関しては試行錯誤が見られたゲームだった。
人対人の対人戦はもちろん、人対CPU(デッキは人間が作ってCPUが操作する!)、
CPU対CPUも搭載されていた。未来志向なゲームだったのだ。残念ながら運営はクソだったが。
CPU戦の他に良い点は、対人戦と違って戦力の敷居が「CPUにさえ勝てればOK」になる点。
対人戦はどうしても「最大戦力で臨むのが礼儀=ファンデッキは許されない」空気ができやすく、
実質的に遊びの幅を狭めていたが、CPUが天井になれば自由度はそこで担保される。
(CPUの難易度にも依るが)
ここまで長々書いてきたが、要約すると「カードゲーム寄りのRPGにすれば?」
と言っているようなもんだったりする。
でも私はそれで何か不都合が?と思っちゃう訳で、結局日本市場で息が長いのってRPGだし…
最近一大センセーションを巻き起こしたダンジョンメーカーも言ってしまえばその路線ですよね?
というバッサリオチを付けたところでこの話おわりおわり( ◜◡‾)
2017.06.16 (Fri)
TCG雑記(ハースストーンクローンの未来について)
※広告対策でテキトーに書いてるので与太話の類だと思って読んでネ
いやー、楽しみですね、ドラゴンクエストライバルズ。
まぁぶっちゃけ言えばハースストーンにドラクエ被せたものなんですけど。
ハースストーンの絵柄があまり合わなかった身としてはありがたい。
じゃあシャドウバースでいいじゃねぇかって話なんですが、一応やったんですよ?シャドバ。
ただスマホ版はなぜかデッキ編集中にエラー頻発、んでPC版に移行したら
クライアントの立ち上げが毎回異様に遅くて萎えてしまって……
イラストと声優の豪華さはすごかったんですけどにー
などと導入の世間話はこの辺にして、
本格的デジタルTCG『ハースストーン』が2014年に登場して早三年。
その人気にあやかろうと日本でもハースストーンフォロワー、
もっと言えばハースストーンクローンが後に続きました。
流行り物のコピーキャットが出回ることの是非みたいな部分はとりあえず置いといて、
個人的に何が気にかかるかと言うと、
「後継機にも関わらず本家の弱点をそのまま引き継いでしまってる」ところです。
(まぁ、基本的なシステムほとんどそのまんまだからそりゃそうなるんですけど)
これを指して、”遺伝病”と呼ぶ人もいて、うまいこと言うなぁ、と。
プレイヤーの立場から言わしてもらえば、良いところはガンガン引き継いでもらって、
悪いところはできれば直していってもらいたいわけで、
もしこれが『種の保存』的な話なら、お前ら絶滅すんゾと思う訳でして。
じゃあその弱点って何よ、の話の前に、ハースストーンの作りの話からします。
TCG業界の大始祖に『マジック・ザ・ギャザリング(以下Mtgと表記)』ってのがいまして、
これを何とかデジタルで遊べるようにしたい、ってのがアイデアの根っこですわ。
ネットが普及した時代、オンラインで誰ともどこでも対戦ってのは夢でしたからな。
なので、Mtgを直接デジタルで遊べるようにしようって動きがまず先にありました。
ところがこれは上手くいきませんでした。
マウスやタップ操作では、アナログ空間の細かい操作を再現するのは至難の業だったからです。
(手書きなら簡単でも、マウスで絵を描くのが難しいのと同じような話です)
ですからデジタルTCGを作るにあたって、「できるだけ操作は自動化」して、
細かい操作をプレイヤーに要求しないようにする必要がありました。(処理が複雑だとバグも怖い!)
さらにネックだったのがデッキ編集です。
机のような広い場所にカードを広げて抜き差しするならいざしらず、
スマホの狭い画面で60枚ものカードを編集するのは考えただけで億劫です。
そして、Mtg自体のゲームシステムにも欠点がありました。そう、土地事故です。
特にデッキを、プログラム的に完全シャッフルしてしまうと体感の偏りが大きくなります。
(※なぜ人力シャッフルだと偏りが減るのかについてはここでは言及しない)
そこで偉い人は言いました。「もう土地カードやめようぜ」と。
こうしてハースストーンでは、毎ターン開始時にマナが1ずつ増え、色の概念もなくなりました。
土地を出すという手順が自動化され、デッキも土地が抜けた分30枚で済み、
もちろん土地事故なんてありません!すごい、画期的だわマイケル!
しかし早速問題点がひとつ出ます。
色がなくなってしまったため、相対した時に相手のデッキ構成がまるで分かりません。
(Mtgでは土地が出て、相手の色が分かることでデッキにある程度目星がつきました)
そこで、『クラス』が導入されました。
クラスによって使えるカードが異なるので、相手のクラスを見て目星をつけろ、という文法です。
さらに各クラスに、ヒーローパワーという毎ターン1回使える固有の能力(要コスト)を付けました。
これにより、ヒントと個性を創出すると共に、マナが余っても常に使い道があるという
最低保証が付きました。すごい、画期的だわマイケル!
さて、ハースストーンの作りの話は出来たので、ここからようやく弱点の話に入ります。
まずマナの増え方が固定なので、ゲームのテンポがいつも似たような展開になります。
例えばMtgで言えば、「土地3枚あれば回る超速攻型デッキ」というスタイルも選べますが、
ハースストーンで同様のスタイルは非常に厳しいものがあります。
3マナ以降もプレイヤーの意思と無関係にマナが増え続けるからです。
速攻したいプレイヤーの心の声はこうです。「マナはいいからカードをくれ」。
結局この仕様においては、各手番にマナを余らせることは単純に機会損失であり、
「毎ターン増えていくマナに合わせたデッキ構築」を強いる、悪く言えば呪いとなります。
また、クラスという枠組みが表になったことで、例えそのクラスを自分は使う気がなくても、
使ってくる相手に勝つために調べないといけない、という呪いが生まれてしまいました。
「それはMtgの色だって同じでしょう?」と言われれば確かに共通する部分もありますが、
「あの色強いな」となればタッチで採用してみる(カードを少しだけ取り入れる)等、
気軽に自分のデッキにも組み込める可能性で言えば、色の方がハードルは低いです。
(プリースト強いな、と思ってもタッチプリーストなんて芸当はハースストーンじゃ出来ない。
プリーストに憧れるなら、あなたは100%プリーストになるしかないのだ!!!)
そしてやはり、リソースに色がなくなったことでカードのバリエーションが増やしにくいです。
同じ3マナでも、(3)と(2)(赤)と(赤)(赤)(赤)はまるで違う意味を持ちます。
しかしハースストーンはすべて(3)です。
さらに色は混色により、(1)(赤)(緑)や(白)(青)(黒)といった形態も取りえます。
この情報量の差は絶大です。(具体的には3コスなら86倍?)
しかし、「だからハースストーンを今からこう直すべきだ」という話では勿論ありません。
前述の通り、ハースストーンは一定の理念に基づき完成された一つの形です。
ですから、これらの課題は次世代で対応していって欲しい(欲しかった)なぁ、が本心です。
一応最後に、「じゃあお主はどうすればいいと思っておるのじゃ?」についても触れます。
やはりまずは色の復活やろなぁ、と。
クラスという要素がデッキ外に存在している場合は、クラス×デッキで単純に奥行きがとれますが、
クラスとデッキが強く結びついてしまうと、むしろ幅を狭めてしまう。
かといって土地を復活させるか?と言われるとNOです。デッキ枚数増えちゃいますからね。
となると固有の色のリソースをどこから供給させるか?ですが、
そらもうカード自身からでしょう。つまりカードが土地も兼ねる。(デュエルマスターズ形式)
毎ターン1枚まで手札を土地ゾーン送りに出来て、土地ゾーンに送ったカード分だけ
対応する色のリソースが毎ターン湧くような作りにすればハースストーンと大体同じ動き。
しかも、カードを送るかどうかは任意のため、「これ以上リソースはいらない」という
プレイヤーの意思も反映されます。
しかし単純にこの作りにすると、デッキの何割かがリソースとして使われてしまうため、
30枚デッキでは薄いかもしれません。かといって枚数を増やしたくはない。困った!
では送り先を土地ゾーンではなく、デッキの一番下にしてはどうでしょう?
アナログゲームであれば「何を送ったか」は分かるようにずっと残す必要がありますが、
デジタルなら一度記録すれば、残しておく必要はありません!(これがデジタルの強み!)
とはいえこの作りでは、やはりまだ土地事故が起きます。
土地事故というか、1枚につき1色のリソース担当なので、多色化が困難です。
(Mtgで言ったら基本地形だけで多色デッキ組むようなもん)
3色辺りが限界で、4色、5色デッキは非現実的でしょう。
でもやっぱり一度はやりたいファイブカラー。多色地形が欲しーい!
しかし、1枚のカードに多色地形としての能力も組み込むのは情報過多です。
そこで、毎ターンオールマイティのリソースも自動的に湧くようにするのはどうでしょう。
仮に『金』(ボドゲーマーに馴染み深いオールマイティ)と呼びましょう。
これは毎ターン1金のみ出ます。ターン経過で供給量は増えません。
ただし、金のみリソースを次ターンにも持ち越すことが出来ます。(他はターンまたぎで消える)
コストを払う場合、まず色リソースを優先消費し、足りない場合は金が自動的に使われます。
この、繰り越せるリソースと繰り越せないリソースの両立ては刺激的な思考を与えてくれそうです。
ゲームスピードが気になる場合は、「金が出るのは2ターンに1回」とか、調整すればいいですし。
(そもそもハースがMtgで言うと毎ターン土地セット相当なので実質2ドロー水準のスピード)
という辺りで、だいたい言いたいことは言ったのでおわりです。
じゃあの!
2017年6月17日追記:
コスト支払いに関して「無色マナをどの色で支払うかは都度プレイヤー判断になるのでは?」
というごもっともな指摘を受けました。まったくですな!
例えば、赤赤白青のリソースを持ってる場合に、(2)(赤)の呪文を使うとして、
赤白青どのリソースで(2)を支払うかは、その度にプレイヤーに聞かなければなりません。
これはゲームテンポを損ねてしまうでしょう、という話です。
とりあえず私がざっくり考えてみた対策を列挙します。
①無色マナやめちゃう。コストはどれも必ず色指定がされてる。
→力技解決。コストバリエーションが減るので折角の色要素があまり生きない
②各リソースに消耗優先順位が設定されてる。
→覚えることが増えるのでイマイチ
③無色マナをどれで支払うかは都度ランダムに決定される。
→運ゲーやんけ!ヤメロォ!
④任意のコスト支払いを指す「無色マナ」ではなく、例えばそのターン使わずに本来破棄される
有色マナが不活性化した存在「くずマナ」として蓄積させ、独立したマナコストとして扱う。
→マナを余らせることに意味が出る面白い考え方ではあるが、運用むずかしそう…
⑤完全な任意ではなく、「どちらかで払う」というスラッシュ区切りのコストアイコンを使う。
Mtgで言う混成マナ。そして先に書いてある方が優先消費される。
こうすると「赤/白」と「白/赤」でニュアンスが変わるので、さらにバリエーションを増やせる。
→やはりまだややこしいが、落とし所としてはこの辺りか…
いやー、楽しみですね、ドラゴンクエストライバルズ。
まぁぶっちゃけ言えばハースストーンにドラクエ被せたものなんですけど。
ハースストーンの絵柄があまり合わなかった身としてはありがたい。
じゃあシャドウバースでいいじゃねぇかって話なんですが、一応やったんですよ?シャドバ。
ただスマホ版はなぜかデッキ編集中にエラー頻発、んでPC版に移行したら
クライアントの立ち上げが毎回異様に遅くて萎えてしまって……
イラストと声優の豪華さはすごかったんですけどにー
などと導入の世間話はこの辺にして、
本格的デジタルTCG『ハースストーン』が2014年に登場して早三年。
その人気にあやかろうと日本でもハースストーンフォロワー、
もっと言えばハースストーンクローンが後に続きました。
流行り物のコピーキャットが出回ることの是非みたいな部分はとりあえず置いといて、
個人的に何が気にかかるかと言うと、
「後継機にも関わらず本家の弱点をそのまま引き継いでしまってる」ところです。
(まぁ、基本的なシステムほとんどそのまんまだからそりゃそうなるんですけど)
これを指して、”遺伝病”と呼ぶ人もいて、うまいこと言うなぁ、と。
プレイヤーの立場から言わしてもらえば、良いところはガンガン引き継いでもらって、
悪いところはできれば直していってもらいたいわけで、
もしこれが『種の保存』的な話なら、お前ら絶滅すんゾと思う訳でして。
じゃあその弱点って何よ、の話の前に、ハースストーンの作りの話からします。
TCG業界の大始祖に『マジック・ザ・ギャザリング(以下Mtgと表記)』ってのがいまして、
これを何とかデジタルで遊べるようにしたい、ってのがアイデアの根っこですわ。
ネットが普及した時代、オンラインで誰ともどこでも対戦ってのは夢でしたからな。
なので、Mtgを直接デジタルで遊べるようにしようって動きがまず先にありました。
ところがこれは上手くいきませんでした。
マウスやタップ操作では、アナログ空間の細かい操作を再現するのは至難の業だったからです。
(手書きなら簡単でも、マウスで絵を描くのが難しいのと同じような話です)
ですからデジタルTCGを作るにあたって、「できるだけ操作は自動化」して、
細かい操作をプレイヤーに要求しないようにする必要がありました。(処理が複雑だとバグも怖い!)
さらにネックだったのがデッキ編集です。
机のような広い場所にカードを広げて抜き差しするならいざしらず、
スマホの狭い画面で60枚ものカードを編集するのは考えただけで億劫です。
そして、Mtg自体のゲームシステムにも欠点がありました。そう、土地事故です。
特にデッキを、プログラム的に完全シャッフルしてしまうと体感の偏りが大きくなります。
(※なぜ人力シャッフルだと偏りが減るのかについてはここでは言及しない)
そこで偉い人は言いました。「もう土地カードやめようぜ」と。
こうしてハースストーンでは、毎ターン開始時にマナが1ずつ増え、色の概念もなくなりました。
土地を出すという手順が自動化され、デッキも土地が抜けた分30枚で済み、
もちろん土地事故なんてありません!すごい、画期的だわマイケル!
しかし早速問題点がひとつ出ます。
色がなくなってしまったため、相対した時に相手のデッキ構成がまるで分かりません。
(Mtgでは土地が出て、相手の色が分かることでデッキにある程度目星がつきました)
そこで、『クラス』が導入されました。
クラスによって使えるカードが異なるので、相手のクラスを見て目星をつけろ、という文法です。
さらに各クラスに、ヒーローパワーという毎ターン1回使える固有の能力(要コスト)を付けました。
これにより、ヒントと個性を創出すると共に、マナが余っても常に使い道があるという
最低保証が付きました。すごい、画期的だわマイケル!
さて、ハースストーンの作りの話は出来たので、ここからようやく弱点の話に入ります。
まずマナの増え方が固定なので、ゲームのテンポがいつも似たような展開になります。
例えばMtgで言えば、「土地3枚あれば回る超速攻型デッキ」というスタイルも選べますが、
ハースストーンで同様のスタイルは非常に厳しいものがあります。
3マナ以降もプレイヤーの意思と無関係にマナが増え続けるからです。
速攻したいプレイヤーの心の声はこうです。「マナはいいからカードをくれ」。
結局この仕様においては、各手番にマナを余らせることは単純に機会損失であり、
「毎ターン増えていくマナに合わせたデッキ構築」を強いる、悪く言えば呪いとなります。
また、クラスという枠組みが表になったことで、例えそのクラスを自分は使う気がなくても、
使ってくる相手に勝つために調べないといけない、という呪いが生まれてしまいました。
「それはMtgの色だって同じでしょう?」と言われれば確かに共通する部分もありますが、
「あの色強いな」となればタッチで採用してみる(カードを少しだけ取り入れる)等、
気軽に自分のデッキにも組み込める可能性で言えば、色の方がハードルは低いです。
(プリースト強いな、と思ってもタッチプリーストなんて芸当はハースストーンじゃ出来ない。
プリーストに憧れるなら、あなたは100%プリーストになるしかないのだ!!!)
そしてやはり、リソースに色がなくなったことでカードのバリエーションが増やしにくいです。
同じ3マナでも、(3)と(2)(赤)と(赤)(赤)(赤)はまるで違う意味を持ちます。
しかしハースストーンはすべて(3)です。
さらに色は混色により、(1)(赤)(緑)や(白)(青)(黒)といった形態も取りえます。
この情報量の差は絶大です。(具体的には3コスなら86倍?)
しかし、「だからハースストーンを今からこう直すべきだ」という話では勿論ありません。
前述の通り、ハースストーンは一定の理念に基づき完成された一つの形です。
ですから、これらの課題は次世代で対応していって欲しい(欲しかった)なぁ、が本心です。
一応最後に、「じゃあお主はどうすればいいと思っておるのじゃ?」についても触れます。
やはりまずは色の復活やろなぁ、と。
クラスという要素がデッキ外に存在している場合は、クラス×デッキで単純に奥行きがとれますが、
クラスとデッキが強く結びついてしまうと、むしろ幅を狭めてしまう。
かといって土地を復活させるか?と言われるとNOです。デッキ枚数増えちゃいますからね。
となると固有の色のリソースをどこから供給させるか?ですが、
そらもうカード自身からでしょう。つまりカードが土地も兼ねる。(デュエルマスターズ形式)
毎ターン1枚まで手札を土地ゾーン送りに出来て、土地ゾーンに送ったカード分だけ
対応する色のリソースが毎ターン湧くような作りにすればハースストーンと大体同じ動き。
しかも、カードを送るかどうかは任意のため、「これ以上リソースはいらない」という
プレイヤーの意思も反映されます。
しかし単純にこの作りにすると、デッキの何割かがリソースとして使われてしまうため、
30枚デッキでは薄いかもしれません。かといって枚数を増やしたくはない。困った!
では送り先を土地ゾーンではなく、デッキの一番下にしてはどうでしょう?
アナログゲームであれば「何を送ったか」は分かるようにずっと残す必要がありますが、
デジタルなら一度記録すれば、残しておく必要はありません!(これがデジタルの強み!)
とはいえこの作りでは、やはりまだ土地事故が起きます。
土地事故というか、1枚につき1色のリソース担当なので、多色化が困難です。
(Mtgで言ったら基本地形だけで多色デッキ組むようなもん)
3色辺りが限界で、4色、5色デッキは非現実的でしょう。
でもやっぱり一度はやりたいファイブカラー。多色地形が欲しーい!
しかし、1枚のカードに多色地形としての能力も組み込むのは情報過多です。
そこで、毎ターンオールマイティのリソースも自動的に湧くようにするのはどうでしょう。
仮に『金』(ボドゲーマーに馴染み深いオールマイティ)と呼びましょう。
これは毎ターン1金のみ出ます。ターン経過で供給量は増えません。
ただし、金のみリソースを次ターンにも持ち越すことが出来ます。(他はターンまたぎで消える)
コストを払う場合、まず色リソースを優先消費し、足りない場合は金が自動的に使われます。
この、繰り越せるリソースと繰り越せないリソースの両立ては刺激的な思考を与えてくれそうです。
ゲームスピードが気になる場合は、「金が出るのは2ターンに1回」とか、調整すればいいですし。
(そもそもハースがMtgで言うと毎ターン土地セット相当なので実質2ドロー水準のスピード)
という辺りで、だいたい言いたいことは言ったのでおわりです。
じゃあの!
2017年6月17日追記:
コスト支払いに関して「無色マナをどの色で支払うかは都度プレイヤー判断になるのでは?」
というごもっともな指摘を受けました。まったくですな!
例えば、赤赤白青のリソースを持ってる場合に、(2)(赤)の呪文を使うとして、
赤白青どのリソースで(2)を支払うかは、その度にプレイヤーに聞かなければなりません。
これはゲームテンポを損ねてしまうでしょう、という話です。
とりあえず私がざっくり考えてみた対策を列挙します。
①無色マナやめちゃう。コストはどれも必ず色指定がされてる。
→力技解決。コストバリエーションが減るので折角の色要素があまり生きない
②各リソースに消耗優先順位が設定されてる。
→覚えることが増えるのでイマイチ
③無色マナをどれで支払うかは都度ランダムに決定される。
→運ゲーやんけ!ヤメロォ!
④任意のコスト支払いを指す「無色マナ」ではなく、例えばそのターン使わずに本来破棄される
有色マナが不活性化した存在「くずマナ」として蓄積させ、独立したマナコストとして扱う。
→マナを余らせることに意味が出る面白い考え方ではあるが、運用むずかしそう…
⑤完全な任意ではなく、「どちらかで払う」というスラッシュ区切りのコストアイコンを使う。
Mtgで言う混成マナ。そして先に書いてある方が優先消費される。
こうすると「赤/白」と「白/赤」でニュアンスが変わるので、さらにバリエーションを増やせる。
→やはりまだややこしいが、落とし所としてはこの辺りか…
2016.07.16 (Sat)
トリックテイキング戦い方理論基礎編
トリックテイキングゲームの戦術理論に関して、
ある程度考えがまとまってきたのでアウトプットしてみる。
「トリックテイクわかんねーよ!」と言ってた時からすると大きな進歩である。
ただし、ここで言及するのは本当にベーシックなトリックテイク、
つまり「1人1枚カードを出す。マストフォローで一番トリック取った人が勝ち」
というタイプのゲームを想定している。(※切り札ルールもなし)
トリックテイクで何を目指せば良いか。無論誰よりもトリックを取る事である。
しかし手札が常に最強の布陣になってる訳もなく、簡単にはいかぬ。
そこで考えるべきは効率という話になる。如何に無駄なくトリックを取るか。
つまり「最小戦力でトリックを取るにはどうすれば良いか」が焦点となる。
大まかな戦術は2つである。
1つは「数値ロスのないカードプレイ」、もう1つは「リードカラーで封殺」。
それぞれに関して解説する。
1.数値ロスのないカードプレイ
例えば、自分の前3人がハートの2、3、4と出してきて、最後に自分が5を出して
トリックを取ったとする。これは数的に1多いだけの最小の支払いで取れたので理想的である。
もしここで出すのが13とかだと明らかな過払いとなる。
(ハートがそれしか無かったのなら仕方ないが)
もっと悪い例としては、自分が三番手で12を出したら、最後のプレイヤーに13を出された、等だ。
強いカードを出したにも関わらずトリックが取れないというのは大損害である。
では出来るだけロスを出さずに動くにはどうすれば良いか?
最も簡単な方法は自分が最後手番になることである。
つまり、自力でトリックが取れるか怪しい時は、あえて自分の右隣りにトリックを取らせるのだ。
裏を返せば、自分がスタートプレイヤーの時に、右隣りが持っていないと
分かっているスートをリードカラーにするのは堅実ではない。
(ラン戦術を試みる場合は除く。※ランについては後述)
ただしこの戦術は、手札にスートが豊富に揃っている序盤にしか通用しない。
スートが枯れてくる後半戦になると、最後手番になれてもリードのスートを
そもそもフォロー出来ないケースが多々でてくる。
2.リードカラーで封殺
これぞまさにマストフォロールールの醍醐味。
どれだけ弱いカードであっても、他のプレイヤーがそのスートを持っていない、
あるいはその数字より低いカードしか持っていないのであれば、それは最強である。
しかもトリックを取ると、またスタートプレイヤーになれる。
そのスートのカードをまだ持っていれば、そこからは無双が始まる。
トリックテイクで最も強い勝ちパターンである。
実際の所、その前までの動きはこのパターンへ持ち込むための布石と言っていい。
この特定のスートで勝ち続けることを業界用語で「ラン」と呼ぶ。
特に、特定スートの上位を独占してる場合は非常に狙いやすい。
例えばハートのA、K、Qを持っていれば、Qをリードした時点で勝ち確。
そしてその後K、Aとリードする、もちろん勝つ。その間にもマストフォローで
他プレイヤーはハートを失っていくので、
その後でなら弱いハートをリードしても勝てる確率が高い。
こういった連打を浴びせられるパターンに持ち込めるのであれば、
冒険をしてでも(数値を過払いしてでも)スタートプレイヤーを狙うことは意味がある。
しかし、いつも上位カードを綺麗な階段状で持てるとは限らない。
間が飛んでるかもしれないし、階段状にはなってるけど低い数字かもしれない。
ではどうするか?
間の数字が先に出たのを確認してから仕掛ければ成功率が上がる。
無論、時には情報が不完全な状態でも仕掛けねばならない時が出てくるだろう。
これがいわゆる勝負所と呼ばれるやつである。
まぁこの辺まで来ると中級者の話なのでこれ以上は割愛。
おわりに
ここまで読んだ人は大体察しがつくと思うが、トリックテイクの手札で色数が少ない(偏ってる)のは
基本的に不利である。まずフォローできない事には絶対にトリックが取れないからだ。
(裏を返せば、リードカラーはそのプレイヤーが多く持ってるスートの可能性が高いというヒントになる)
もちろん、自分が多く持ってるということは、他のプレイヤーはそのスートをあまり持っていないはずで、
リードさえ取れればチャンスはある。問題はどうやってリードを取るかだが…
ここから先は細かいシーン別解説みたいな話になっていくので基礎編としてはここまでとする。
お疲れ!解散!
ある程度考えがまとまってきたのでアウトプットしてみる。
「トリックテイクわかんねーよ!」と言ってた時からすると大きな進歩である。
ただし、ここで言及するのは本当にベーシックなトリックテイク、
つまり「1人1枚カードを出す。マストフォローで一番トリック取った人が勝ち」
というタイプのゲームを想定している。(※切り札ルールもなし)
トリックテイクで何を目指せば良いか。無論誰よりもトリックを取る事である。
しかし手札が常に最強の布陣になってる訳もなく、簡単にはいかぬ。
そこで考えるべきは効率という話になる。如何に無駄なくトリックを取るか。
つまり「最小戦力でトリックを取るにはどうすれば良いか」が焦点となる。
大まかな戦術は2つである。
1つは「数値ロスのないカードプレイ」、もう1つは「リードカラーで封殺」。
それぞれに関して解説する。
1.数値ロスのないカードプレイ
例えば、自分の前3人がハートの2、3、4と出してきて、最後に自分が5を出して
トリックを取ったとする。これは数的に1多いだけの最小の支払いで取れたので理想的である。
もしここで出すのが13とかだと明らかな過払いとなる。
(ハートがそれしか無かったのなら仕方ないが)
もっと悪い例としては、自分が三番手で12を出したら、最後のプレイヤーに13を出された、等だ。
強いカードを出したにも関わらずトリックが取れないというのは大損害である。
では出来るだけロスを出さずに動くにはどうすれば良いか?
最も簡単な方法は自分が最後手番になることである。
つまり、自力でトリックが取れるか怪しい時は、あえて自分の右隣りにトリックを取らせるのだ。
裏を返せば、自分がスタートプレイヤーの時に、右隣りが持っていないと
分かっているスートをリードカラーにするのは堅実ではない。
(ラン戦術を試みる場合は除く。※ランについては後述)
ただしこの戦術は、手札にスートが豊富に揃っている序盤にしか通用しない。
スートが枯れてくる後半戦になると、最後手番になれてもリードのスートを
そもそもフォロー出来ないケースが多々でてくる。
2.リードカラーで封殺
これぞまさにマストフォロールールの醍醐味。
どれだけ弱いカードであっても、他のプレイヤーがそのスートを持っていない、
あるいはその数字より低いカードしか持っていないのであれば、それは最強である。
しかもトリックを取ると、またスタートプレイヤーになれる。
そのスートのカードをまだ持っていれば、そこからは無双が始まる。
トリックテイクで最も強い勝ちパターンである。
実際の所、その前までの動きはこのパターンへ持ち込むための布石と言っていい。
この特定のスートで勝ち続けることを業界用語で「ラン」と呼ぶ。
特に、特定スートの上位を独占してる場合は非常に狙いやすい。
例えばハートのA、K、Qを持っていれば、Qをリードした時点で勝ち確。
そしてその後K、Aとリードする、もちろん勝つ。その間にもマストフォローで
他プレイヤーはハートを失っていくので、
その後でなら弱いハートをリードしても勝てる確率が高い。
こういった連打を浴びせられるパターンに持ち込めるのであれば、
冒険をしてでも(数値を過払いしてでも)スタートプレイヤーを狙うことは意味がある。
しかし、いつも上位カードを綺麗な階段状で持てるとは限らない。
間が飛んでるかもしれないし、階段状にはなってるけど低い数字かもしれない。
ではどうするか?
間の数字が先に出たのを確認してから仕掛ければ成功率が上がる。
無論、時には情報が不完全な状態でも仕掛けねばならない時が出てくるだろう。
これがいわゆる勝負所と呼ばれるやつである。
まぁこの辺まで来ると中級者の話なのでこれ以上は割愛。
おわりに
ここまで読んだ人は大体察しがつくと思うが、トリックテイクの手札で色数が少ない(偏ってる)のは
基本的に不利である。まずフォローできない事には絶対にトリックが取れないからだ。
(裏を返せば、リードカラーはそのプレイヤーが多く持ってるスートの可能性が高いというヒントになる)
もちろん、自分が多く持ってるということは、他のプレイヤーはそのスートをあまり持っていないはずで、
リードさえ取れればチャンスはある。問題はどうやってリードを取るかだが…
ここから先は細かいシーン別解説みたいな話になっていくので基礎編としてはここまでとする。
お疲れ!解散!
2015.05.20 (Wed)
デザイナー、8つの民族
※これはジョーク記事です。真に受けないようにしましょう。
現在、ゲームマーケットで活動しているアナログゲームデザイナーは8つの民族に分類出来る。
1.ゲームマニア族
2.IT技術者族
3.大学生族
4.リア充族
5.ベンチャー族
6.デザイナー族
7.デジタルゲーム族
8.漫画家族
の8つである。上から順に多い想定で並べている。
以下に各民族の特徴を述べる。
1.ゲームマニア族
熱狂的なボードゲームファン。好きが高じて作るに至ったケース。
ゲームマーケット黎明期から活躍し、経験・ゲーム知識ともに最も豊富である。
一方で「海外の優れたゲームに追いつかねば」という偏った考えがあり、
昨今の人狼(コミュニケーションゲーム)やリアル脱出ブームを冷めた目で見ている。
また、歴の浅い人間に対してはしばしば高圧的な態度を取る。知識語りが大好き。
ちゃんとしたボードのあるゲームを作ろうとする者は大体ここに分類される。
作るゲームはしっかりとした骨太なものが多いが、派手さはなくマニア向け。
良くも悪くも殻の中に閉じこもりがち。ある意味もっともストイックな民族である。
しかしその辛さに耐えかねてか、最近は減少傾向に転じている。
2.IT技術者族
子供の頃はゲームクリエイターに憧れていたが色々あってゲーム会社には就職せず、
IT業界の荒波に揉まれ摩耗する中、ふとしたきっかけからアナログゲームに出会い
「人間に処理を丸投げしてもいいんだ!」と深い感銘を受け、一気にのめり込んだケース。
(背景が妙に生々しいことに関して詮索してはいけない)
仕事柄システム設計が得意で、説明書を書くのも普段仕様書を書いてる流れで割と得意。
また、システムの無駄の無さ、例外の無さに偏執的な美学を持っていることが多い。
しかし実際に遊んでみると「よく出来てるが楽しくはない」という理論先行パターンに陥りがち。
デジタルゲームに対しては夢を諦めた手前、辛辣に当たる者も一部いる。
ただし任天堂に対してだけは手放しで褒め称える。花札を作ってた会社は別腹らしい。
3.大学生族
TCGから入ってきたケース。
経験・知識・技術ともに未熟だが有り余る時間と若さでカバーする。
常識に欠ける囚われていないため、時に非凡なセンスのゲームを出してくる。
一方でとんでもない駄作(既存作の劣化コピー品)を出してくることも多い。
基本的に仲間複数人でつるんで製作することが多く、テストプレイ環境は充実している。
奇想天外な爆発力という意味では最もポテンシャルを秘めているが、
説明書を書く力には決して明るくないのでまず読めない=遊んでもらえないパターンも多い。
また、金銭感覚にも明るくないため平然と価格破壊を行ってくる。この野郎。
4.リア充族
別名Podcast族。人狼ブームから入ってきたケース。
人狼の流れを汲んで、コミュニケーションまたは正体隠匿ゲームを作る傾向にある。
交友関係が広いためテストプレイ環境が充実しており、
知識ではなく感覚でゲームを作る天才肌タイプが多い。
コミュ力の高さからか、説明書も読みやすいことが多く、内容も独創的で侮れない。
面白い奴が作るゲームはやはり面白いことが多いのだ。
ブームを背景にした環境の良さもあり急速にその数を増やしている。
ゲームマニア族とは対極的な位置関係にあり、目の敵にされているようだ。
5.ベンチャー族
大学生族とリア充族を足して2で割ってベンチャー精神を加えたケース。
「一旗あげてやろう」という気概があるため精力的に活動するが、
やる気が空回りしているのか、胡散くさい集団も少なくない。
やる気を見せるだけあって独自のコネクションを持っている所が多く、
意外な流通網の広さから、(内容の割には)意外な売上数を叩きだしてたりする。
営業って大事ですね…!
個人より動かせるお金が多く、立体的な独自コンポーネントでも作りあげる。
マネーパワーisゴッド。ある意味もっとも勤勉な民族(そうでなければ死ぬから)。
6.デザイナー族
普段はグラフィックデザインを生業としている民族。
どこ経由で入ってきたのかは謎に包まれている。
(趣味の小物作りからコンポーネント繋がりで入ってくるらしい)
周囲から頭ひとつ抜けたオシャレな外観デザインで出してくるため注目を集めやすい。
一方で、「見た目の割には」と批判の的にもなりやすい。
このため、初作品が見事完売しても第二弾・第三弾と続ける者が少ない。(デザイナーは繊細)
説明書もパッと見は綺麗で見やすいのだが、ルールの書き方自体は門外漢らしく、
解釈がハッキリしない文章や、例外漏れなども散見される。
これも批判に拍車をかけているようだ。
過度に外観を良くしてしまうのも考えものである。
7.デジタルゲーム族
デジタルゲームがかつての隆盛を失った影響か、昨今はアナログに転向する者も少なくない。
しかし元々ゲームを作っていただけあって、システム・世界観・グラフィック・説明書の
見せ方は勘所を押さえている。転向してすぐにも関わらず実績を残す者も多い。
元々その業界でファンや知名度を獲得している点も強みか。
また、やはりデジタルゲームの流れからか、一人用ゲームが多い傾向にある。
しかしこの分野は全体的に見てもまだまだ未開拓領域が多く、
今後の開拓には期待が持たれる。
8.漫画家族
極めて数の少ない希少種。
自分で絵が描けるためグラフィック費用を浮かすことが出来るのが強み。
ただし絵を描くことに時間が取られてしまう分、他の部分に力を掛けられなくなってしまう。
あまり凝ったゲームを作ることには向いてない。長期的にはデメリットが勝る。
デジタルゲーム族同様、元々のファン・知名度がある点は強み。
一度作って満足し、元の漫画家生活に戻ってしまうパターンが多い。つむじ風のような存在。
さて、8つの民族を紹介した。
単純に一人一民族という話でもなく、中にはハイブリッドや全噛みタイプもいるだろう。
ひとつの物差しとして民族で測ると、製作者達の違った面が見えてきて購入の参考になるかもしれない。
逆に製作者は自分の起源を考え、離れた位置にいる民族と交流をさぐる目安にすると良い。
1民族のやり方だけではすぐ壁に行き当たってしまうからだ。
「これがずっと正解」という楽な道は残念ながら無い。死なない範囲で色んなことをやってみよう!
現在、ゲームマーケットで活動しているアナログゲームデザイナーは8つの民族に分類出来る。
1.ゲームマニア族
2.IT技術者族
3.大学生族
4.リア充族
5.ベンチャー族
6.デザイナー族
7.デジタルゲーム族
8.漫画家族
の8つである。上から順に多い想定で並べている。
以下に各民族の特徴を述べる。
1.ゲームマニア族
熱狂的なボードゲームファン。好きが高じて作るに至ったケース。
ゲームマーケット黎明期から活躍し、経験・ゲーム知識ともに最も豊富である。
一方で「海外の優れたゲームに追いつかねば」という偏った考えがあり、
昨今の人狼(コミュニケーションゲーム)やリアル脱出ブームを冷めた目で見ている。
また、歴の浅い人間に対してはしばしば高圧的な態度を取る。知識語りが大好き。
ちゃんとしたボードのあるゲームを作ろうとする者は大体ここに分類される。
作るゲームはしっかりとした骨太なものが多いが、派手さはなくマニア向け。
良くも悪くも殻の中に閉じこもりがち。ある意味もっともストイックな民族である。
しかしその辛さに耐えかねてか、最近は減少傾向に転じている。
2.IT技術者族
子供の頃はゲームクリエイターに憧れていたが色々あってゲーム会社には就職せず、
IT業界の荒波に揉まれ摩耗する中、ふとしたきっかけからアナログゲームに出会い
「人間に処理を丸投げしてもいいんだ!」と深い感銘を受け、一気にのめり込んだケース。
(背景が妙に生々しいことに関して詮索してはいけない)
仕事柄システム設計が得意で、説明書を書くのも普段仕様書を書いてる流れで割と得意。
また、システムの無駄の無さ、例外の無さに偏執的な美学を持っていることが多い。
しかし実際に遊んでみると「よく出来てるが楽しくはない」という理論先行パターンに陥りがち。
デジタルゲームに対しては夢を諦めた手前、辛辣に当たる者も一部いる。
ただし任天堂に対してだけは手放しで褒め称える。花札を作ってた会社は別腹らしい。
3.大学生族
TCGから入ってきたケース。
経験・知識・技術ともに未熟だが有り余る時間と若さでカバーする。
常識に
一方でとんでもない駄作(既存作の劣化コピー品)を出してくることも多い。
基本的に仲間複数人でつるんで製作することが多く、テストプレイ環境は充実している。
奇想天外な爆発力という意味では最もポテンシャルを秘めているが、
説明書を書く力には決して明るくないのでまず読めない=遊んでもらえないパターンも多い。
また、金銭感覚にも明るくないため平然と価格破壊を行ってくる。この野郎。
4.リア充族
別名Podcast族。人狼ブームから入ってきたケース。
人狼の流れを汲んで、コミュニケーションまたは正体隠匿ゲームを作る傾向にある。
交友関係が広いためテストプレイ環境が充実しており、
知識ではなく感覚でゲームを作る天才肌タイプが多い。
コミュ力の高さからか、説明書も読みやすいことが多く、内容も独創的で侮れない。
面白い奴が作るゲームはやはり面白いことが多いのだ。
ブームを背景にした環境の良さもあり急速にその数を増やしている。
ゲームマニア族とは対極的な位置関係にあり、目の敵にされているようだ。
5.ベンチャー族
大学生族とリア充族を足して2で割ってベンチャー精神を加えたケース。
「一旗あげてやろう」という気概があるため精力的に活動するが、
やる気が空回りしているのか、胡散くさい集団も少なくない。
やる気を見せるだけあって独自のコネクションを持っている所が多く、
意外な流通網の広さから、(内容の割には)意外な売上数を叩きだしてたりする。
営業って大事ですね…!
個人より動かせるお金が多く、立体的な独自コンポーネントでも作りあげる。
マネーパワーisゴッド。ある意味もっとも勤勉な民族(そうでなければ死ぬから)。
6.デザイナー族
普段はグラフィックデザインを生業としている民族。
(趣味の小物作りからコンポーネント繋がりで入ってくるらしい)
周囲から頭ひとつ抜けたオシャレな外観デザインで出してくるため注目を集めやすい。
一方で、「見た目の割には」と批判の的にもなりやすい。
このため、初作品が見事完売しても第二弾・第三弾と続ける者が少ない。(デザイナーは繊細)
説明書もパッと見は綺麗で見やすいのだが、ルールの書き方自体は門外漢らしく、
解釈がハッキリしない文章や、例外漏れなども散見される。
これも批判に拍車をかけているようだ。
過度に外観を良くしてしまうのも考えものである。
7.デジタルゲーム族
デジタルゲームがかつての隆盛を失った影響か、昨今はアナログに転向する者も少なくない。
しかし元々ゲームを作っていただけあって、システム・世界観・グラフィック・説明書の
見せ方は勘所を押さえている。転向してすぐにも関わらず実績を残す者も多い。
元々その業界でファンや知名度を獲得している点も強みか。
また、やはりデジタルゲームの流れからか、一人用ゲームが多い傾向にある。
しかしこの分野は全体的に見てもまだまだ未開拓領域が多く、
今後の開拓には期待が持たれる。
8.漫画家族
極めて数の少ない希少種。
自分で絵が描けるためグラフィック費用を浮かすことが出来るのが強み。
ただし絵を描くことに時間が取られてしまう分、他の部分に力を掛けられなくなってしまう。
あまり凝ったゲームを作ることには向いてない。長期的にはデメリットが勝る。
デジタルゲーム族同様、元々のファン・知名度がある点は強み。
一度作って満足し、元の漫画家生活に戻ってしまうパターンが多い。つむじ風のような存在。
さて、8つの民族を紹介した。
単純に一人一民族という話でもなく、中にはハイブリッドや全噛みタイプもいるだろう。
ひとつの物差しとして民族で測ると、製作者達の違った面が見えてきて購入の参考になるかもしれない。
逆に製作者は自分の起源を考え、離れた位置にいる民族と交流をさぐる目安にすると良い。
1民族のやり方だけではすぐ壁に行き当たってしまうからだ。
「これがずっと正解」という楽な道は残念ながら無い。死なない範囲で色んなことをやってみよう!