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2014.04.29 (Tue)

駆け出し奮闘記「ゲームチップ・他小物類の作り方」

※2014年4月時点での記事であり、価格等は変動している可能性があります。

さぁ、ボードゲームを作りましょう!ヾ(:3ノシヾ)ノシ
前回がほぼカード印刷に関する話だったので、今回はチップ類について記述します。
まず先に参考記事を紹介しておきます。

100円ショップでボードゲームを自作しよう(部屋とボードゲームと私と酒と泪と男と女)
 100均素材はちょっとした試作機を作る際には重宝します。
 ただし、よほど上手いことコンポーネントが合致しない限り、本番機には使えないと考えてください。
 大抵のアイテムはアソート(色や種類など混合)で売られてることが多く、
 「このアイテムだけ大量に欲しいんだけど…」が通用しなかったりします。
 結果、仕方なく大量のアソートを購入した挙句、使わなかった部材がゴミになったり、
 一部しか利用しないので単価で考えた場合に高くついたりします。

自作ボードゲームに使えそうな素材in海外amazon(部屋とボードゲームと私と酒と泪と男と女)
 実のところ海外のAmazonの方が日本Amazonよりチップ類は遥かに充実しています。
 ボードゲーム文化の根付きの違いでしょうか? 一色を100個単位で発注するのも楽々です。
 とはいえ一時期の円高は過ぎてしまいましたし、輸送費も昨今の燃料費高騰で値上がりしてます。
 また、海外発送に対応していない商品も多く、決済画面まで進んでいちいち「ゴメンそれ無理」と
 言われるのでかなり面倒くさいです('A`)
 送料も試しにダイス100個を発注してみたら40ドルと出たので相当数発注しないと厳しいですね。
 あと、いうほど在庫数を抱えてる商品がありません。(「Only 1 left」とかばっかり)
 送料分を薄めるべくまとめ買いしようにも出来ない現実が待ってるかもしれません。

事前知識ここまで。ようやく本文。
大概のチップ類は銀河企画オンラインで発注できます。
(サイト下の方、「トレカ用サプライ / ゲーム用小道具」)
ただいずれのアイテムも見積もりをしないと価格が分からないようになっています。
仲介を挟む分だけマージンを取られるのが世の常なので、英語に拒絶反応がなければ米Amazonで
直接発注した方が安いと思われます。(「Koplow Games」で検索すればそれらしき物が出てきます)

該当する商品をいくつか試してみましたが、試した範囲では全て日本発送不可でした。
よって銀河企画オンラインを間に挟む意味はある、と訂正します。

もうひとつ、日本語通じるボードゲーム素材のお店と言えば萬印堂さんがあります。
しかし、木製ポーンコマやカラーキューブは単価30円となっており、かなりお高いです。
「1プレイヤーにつき1個」以下の使い方でなければ採用は難しいでしょう。

ここからさらに各アイテム別での単価視点に入っていきます。
《コインチップ》
ポーカーチップ:22mm。713円で250枚(5色各50枚)、単価2.8円
 ボドゲ業界では「ジーピーチップ」の通り名で有名。アソートなので無駄が出やすい。
ポーカーチップ:26mm。403円で100枚(5色各20枚)、単価4円
 ボドゲ業界では「ハナヤマチップ」の通り名で有名。以下略
豪華厚紙チップ(萬印堂):25mm。単価5円
 種類別で発注できるのでまとまった数を用意でき無駄が出ない。数字印刷なし版も存在。
白チップ(萬印堂)+マイタックラベル:20mm。単価1円+1.5円くらい。
 白チップに円形のラベルシールを貼ってカラーチップに仕上げる方法。
 円形シール20mmが単価約0.75円で両面貼ると1.5円。
 シールの色を変えればあらゆる色のチップを製造可能だが貼り付けは手動コスト。
 チップの色が白で良ければシールは不要。
 ※ちなみに、萬印堂で白チップを計画生産していないためまとまった数の入手は困難だったりする。
ゲームチップ ビンゴ用品透明色:19mm。230円で100個。単価2.3円(2016.3.29追記)
 以前までは米Amazon行かないと買えなかったが最近は国内でも買えるようになった模様。
 軽くて頑丈、透明なので数値マーカーとしても使いやすい。オススメ。
 重ねるとパッと見で数が分からないのでチップじゃらじゃら感は薄い。向き不向きに注意。

《カウンター・トークン》
プラチェーン:17mm。226円で120個程度(バラツキあり)。単価1.8円→東方PACTで使用
 星型とハート型あり。アソートなので色別で使いたければ手動仕分けを行う必要あり。面倒臭かった('A`)
おはじき(並はじき):15mm。972円で800個。単価1.2円
 なにげにおはじきは安価で数が揃うが、数が集まると結構重くなることに注意。
花はじき:18mm。3240円で1kg(約1500個)。単価2.1円
 同人ボドゲで使われる事も多い花はじき。幼児玩具用なので軽くて頑丈なのが売り。
アクリルキューブカット:18mm。972円で330個。単価2.9円。どっかで見たシリーズ1
アクリルハートレッド:25mm。972円で290個。単価3.3円。どっかで見たシリーズ2
アクリル金インゴット:12*36mm。1404円で365個。単価3.8円→もりやトリックで使用
 →大黒屋は他にも良さそうなグッズが多いので自主的に探してみるのもお勧め。
  ただ、いずれも厚みを持った形状をしており、箱のスペースを圧迫する点には注意。
ライフストーン:10mm前後。360円で50個。単価7.2円(2016.3.29追記)
 カラーバリエーションもあり、触り心地や見栄えは良くなる。値段相応の価値はあり。

《ダイス》
ホワイトダイス:12mm。100個で1620円。単価16.2円
 国内で六面ダイス買おうとするとどこもこの辺の価格。カラーダイスが欲しければ海外推奨。
Brybelly16mmDice(米Amazon):16mm。400個で30ドル。単価7.5円
 ダイスサイズが大きくしかも半透明でこの値段は格安。但し青と紫の色が近いのが難点。
Brybelly19mmDice(米Amazon):19mm。100個で15ドル。単価15円
 上の色指定&サイズ大きい版。しかし19mmは大きすぎて使いにくいかも……。
WhiteDice withcoloredpips(米Amazon):16mm。200個で28ドル。単価14円
 基本は白ダイスだが目の所がカラフルになっており少しオシャレ。
 注)日本Amazonでいうマーケットプレイス(画面右下の方)でその他の出品者情報を開き、
 国際配送対応(International & domestic shipping rates)と書かれてる店舗じゃないと購入不可。


《カラーキューブ》
木製カラーキューブ(萬印堂):16mm。単価30円
 色指定できるのは嬉しいが数を集めるにはツライお値段。木製だから?
CentimeterCubes(米Amazon):10mm。1000個で28ドル。単価2.8円
 単価としては現実的なライン。アソート状態なので手動仕分け必須か。
【算数教材 キューブ】 1cmキューブ:10mm。500個で2646円。単価5.3円
 恐らく上と同じ材質。いつの間にか国内でも買えるようになった模様。
 また、水色限定だが単色版もあった。色に拘りなければこっち買った方が仕分けもなくて楽。

【結論】
・オリジナルチップに拘らないならビンゴ用チップオススメ。
・カラーダイスが欲しければ海外へ発注すべし。(国内だと単価30円ぐらいすると思われる)
・木製キューブは別格で値段が高い。無理して使う必要ないんじゃないかな……
・大黒屋は神。

で、ここまで書いて最後に爆弾投げますけど、
チップ購入の最大の敵は単価、ではなく「まとまった数を用意できるか」だったりします。
どれほど良い部材が見つかっても、店舗の在庫が足りない・次回入荷も未定、となれば
そこがネックになって目標とする部数を作ることが出来ません。
とりあえず30部作ることだけを考えれば選択肢はいくつもあるのですが、
これが300部になった場合、選択肢は激減します。
なので、本気で大部数作る時はチップ類も特注にせざるを得なかったりします。
以上、ご参考になれば~ ( 'ω')ノシ
22:30  |  制作奮闘記  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2014.04.18 (Fri)

新作「もりやトリック」のご紹介

完売御礼 頒布終了しました!

また守矢か!
もりとりトップ用早苗さん広告


タイトル :もりやトリック
原作   :上海アリス幻樂団「東方Project」
ジャンル :正体隠匿陣取りゲーム
要点   :3~5人向け(推奨4人)、10~20分、10歳以上向け
内容物  :カード9枚、ダイス6個、紙チップ20枚、アクリルチップ10個、説明書
頒布時期 :2014/5/11例大祭以降を予定
頒布価格 :500円予定
イラスト :ゆお


《ストーリー》
「人民の人民による人民のための幻想郷を!」
常識に囚われない早苗さんは脈絡にも囚われない。
この唐突な呼び掛けに応じて幻想郷各地で人間達が一斉蜂起。
そこで騒ぎを治めるべく四人の指導者が立ち上がった。
かくして人間と妖怪の覇権争いは混沌の渦へと突入する――
まぁ、大体いつも通りの幻想郷なのであった。

《ゲーム概要》
最初に自分の正体となるカードが1人1枚、秘密裏に配られます。
それぞれ異なる勝利条件が設定されているので、それを目指して動くのが基本になります。
しかし、何を狙っているのかバレてしまうと妨害もされやすくなってしまうため、
上手く正体を隠しつつ、自分が有利になるよう立ち回りましょう。
正体を交換する手段も存在するため、狙いをはぐらかすのはとても重要です。

正体隠匿を謳っていますが、「ダイスの出目の中から行動を選ぶ」という制約が入っているため、
ウソをつくのが苦手な方でも気軽に遊ぶことが出来ます。
そう、あなたはウソをつく必要がない。ダイスのせいにして良いんです!

《ゲームの流れ》
◆準備
・地域カードを適切に並べてセッティングします。(実際のコンポーネントでは四分割されてカードになっています)
幻想郷版ミニマップ
・※3人で遊ぶ場合は「⑤平等主義者」をあらかじめ抜いてください。(ルールシート記載漏れ)
 正体カード1枚をランダムに各プレイヤーへ裏向きで配ります。
 余った正体カードがあれば裏向きに伏せておいてください。
 各プレイヤーはいつでも自分の正体を確認できます。
もりとり役職

◆プレイ手順
①手番プレイヤーはダイス6個をまとめて振ってください。
②出た目の内、同じ出目はまとめてください。
③出目の種類の中から1種類を選んで、そのダイス数とちょうど同じだけ対応する行動を実行します。
(例:1,1,3,4,5,6が出たので、1の行動を2つ分行う)
・2~5の出目なら対応する地域に人間or妖怪チップを置くことが出来ます。
 同時に複数枚置く場合も、一度に置けるチップは人間か妖怪のどちらかだけです。
(例:2,3,3,4,5,5,が出たとして、3の永遠亭にチップを置く場合、人間を2枚置くか、妖怪を2枚置くか、
 のどちらかのみ)
 各地域には置けるチップの総数に上限があります(Max□で表記)。
・1の出目はお金チップ(※後述)を手に入れられます。
・6の出目は他のプレイヤー1人からお金チップを奪うことが出来ます。
④行動が終われば次のプレイヤーに手番が移ります。

※お金チップ
お金は自分の手番中に1つ使うことで、追加アクションを行うことが出来ます。
2種類の効果から好きな方を選んでください。
 A.立退:場の人間or妖怪チップ1枚を山に戻す。
 B.賄賂:ダイスの出目を任意に取り分けて振り直す。(全部振り直しも可)
振り直しは以下のような例になります。
例:1,3,3,4,4,5が出た。3に勢力を集中させたいので3,3を残してダイス4つを振り直す。

手番中のお金使用回数は各効果につき1回までです。(Aで1回、Bで1回まで)
使ったお金は元の山に戻してはいけません。ゲームから除外された扱いになります。

※特殊行動:因果の錯綜
出目の内訳でフルハウス(ある出目が3つ以上かつ、別の出目が2つ以上)が成立した場合、
本来の行動の代わりに他のプレイヤーと正体カードを交換することを選んでも良いです。
因果律がいい感じになんかあれして運命が切り替わったのでしょう恐らく。
条件的には出目が3つ3つ、4つ2つでも発動可能です。
 1,1,1,3,3,6:可
 2,2,2,4,4,4:可
 3,3,3,3,5,5:可
 4,4,4,4,4,6:不可

※その他特記事項
・数量的に実施できない行動を選ぶことは出来ません。例えば、お金チップが1枚しか残っていないのに
 2枚取る行動や、上限を超えて各地域にチップを置く行動は出来ません。
・行える行動がある限り、仮にプレイヤーがその行動を望まなかったとしても選ばなくてはいけません。
・選べる行動のいずれも実行不能である場合、パスになります(お金を使って修正を図っても良い)。
・ゲーム中、自分の正体を話しても構いませんが、もちろん本当のことを言う必要もありません。

◆ゲームの終了
人間・妖怪・お金、いずれかのチップが無くなった時点でゲームは終了します。
各プレイヤーの正体カードを公開し、割り当てられている数字の小さい人から順に勝利条件を
満たしたか確認します。
見事条件を満たした人がいればこのゲームの勝者です(仮に複数人が勝利条件を満たしていても、
数字の小さい人が優先されます)。
誰も勝利しなかった場合は数字の大きい人が勝利します。

《備考》
「東方は詳しくないからちょっと…」という方のために一般版もご用意してます。→こちら!

お借りした画像素材:
 フレームデザイン  http://frames-design.com/
19:49  |  『もりやトリック』  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2014.04.18 (Fri)

新作「やまとトリック」のご紹介

完売御礼 頒布終了しました!

正直者でも勝てる正体隠匿ゲーム誕生!


タイトル :やまとトリック
ジャンル :正体隠匿陣取りゲーム
要点   :3~5人向け(推奨4人)、10~20分、10歳以上向け
内容物  :カード9枚、ダイス6個、紙チップ20枚、アクリルチップ10個、説明書
頒布時期 :2014/6/1ゲームマーケット春以降を予定
頒布価格 :500円予定
イラスト :シルエットデザイン


《ストーリー》
正義と悪が入り乱れる現代社会ニホン。
終わることなき白と黒の戦いの中に、新たな侍達が現れた。
正義を掲げる者、世界征服を企む者、私欲を肥やす者、平等を謳う者、手近な平穏で手を打つ者……
それぞれの思い描く理想を掴むため、今、思惑が錯綜する――

《ゲーム内容》
詳細に関しては東方版「もりやトリック」と同じです。そちらを御覧ください。
相違点は、カードの絵柄と、チップ名が人間→正義、妖怪→悪に置き換わってる点のみです。
日本地図ミニマップ
やまとり役職

《作者コメント》
面白い正体隠匿ゲームは数あれど、やはりいずれも「ウソをつく事を強要される」シーンがあるのを
残念に思っていました。ぼくみたいな正直者にはウソをつくのはハードルが高いんです!(><;
そんな思いから生まれたのがこのゲーム。
なので、ウソが苦手で正体隠匿ゲームを敬遠してる人にこそ、是非遊んでもらいたいですね!( 'ω')

《備考》
お借りした画像素材:
 シルエットデザイン http://kage-design.com/
 フレームデザイン  http://frames-design.com/
19:37  |  『やまとトリック』  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2014.04.01 (Tue)

駆け出し奮闘記「コンポーネントの省スペース化あれこれ」

さぁ、ボードゲームを作りましょう!(懇願

世間はエイプリルフールですが至って平常運行です( ´ω`)
さて今回はゲームコンポーネントの量を減らすアイデアについてまとめます。

コンポーネントを減らすことには以下の様な大きなメリットが伴います。
【メーカーメリット】
・原価投資を抑える事ができる
・(手作業製作なら)箱詰めが楽
・コンパクトなのでイベントに持ち込める量が増える(またはカバンが軽い)
・大量の在庫を家に抱えても布団の置き場は確保しやすい
【ユーザーメリット】
・財布にやさしい
・小さいのでちょっとした旅のお供に持って行きやすい
・天井に届くまで箱を積み上げて崩れたとしても圧死リスクを軽減できる

実に良いことずくめです。
やはり時代は小箱ゲーム……と思う一方で、大箱のメリットも押さえておきましょう。
ゲームストア「バネスト」の中の人が箱の大きさについて語られています。
ボードゲームの箱の大きさについて(togetterまとめ)
キーワードだけ抜き出すと、緩衝材、万引き防止、売り場占有、メーカーの体面って感じですね。
ショップの人から見ると考えもしなかった切り口が出てきて面白いです。

さて前置きが長くなりました。
具体的にコンポーネントを減らすとなると、対象はボードカードチップ、になると思われます。
それぞれのケースに分けて考えてみます。

《ボードを減らす施策》
「ボードゲームなのにボード無いんでっか?」などという残酷な問いかけに耳を貸す必要はありません。
「中島敦の『名人伝』を読まれたことはありますか?」と返しましょう。
ボードは原価にとって不倶戴天の敵です。箱が大きくなる理由の筆頭ではないでしょうか。

で、具体的な施策内容ですが、体裁を気にしないのならさほど難しくありません。
要は、ボードをカードやチップで代替するだけでいいのです。
最近の例で言えば『ヘイムスクリングラ』はボードを排除したワーカープレイスメントですね。

実際、プレイアビリティ面で見た場合、ボードにはチップ等の置き場所を明示する程度の効果しかなく、
必須とまでは言えません。(工夫次第で他で補う事が可能)
「豪華なアートワークで世界観を~」とかの話ではさすがに軍配が上がりますが、
そこはまずゲームの面白さを十分達成できた後に語る話であって、
それ以前の所で四苦八苦している我々駆け出し勢にとっては熟考の余地がありません( ◜◡‾)

もちろん「ボードがないと大賞に選ばれない」とまで言われる海外展開を見越すなら
ボードは必須と言えますが。

《カードを減らす施策》
分類をちゃんと書こうとした結果、ここだけ論文みたいになっちゃいました(゚∀゚)
1.情報を外で補う
カード自体の意味以外に、外側に情報を付随させて情報量を増やす事で、
カード枚数が少なくてもゲームとして成り立つことを目指す試みです。

 1.1.ウソをついて良い
 要するにブラフです。カード1枚では1つの効果しかありませんが、ゲーム中使われる他のカードだと
 虚偽の申告をして使う事で、1枚のカードに複数の効果を持たせる事が可能です。
 例としては、『人狼』『マスカレード』『クー』などがあります。

 1.2.向きを利用する
 裏向きか表向きか、正位置か逆位置か横倒しか、さらに横倒しでも右倒しか左倒しか。
 一応、計8通りの状態遷移を表現することが出来ます。横倒しの有名な発明には「タップ」があります。
 向きを変えるだけで意味を変えることが出来るので非常に使いやすい概念です。
 とはいえ、調子に乗って細かく状態を分けてしまうとややこしくなります。(FateAceRoyalとかね…)
 カードやタイルで道を繋げるゲームは向きの多さがそのまま用途の多さになりますね。
 この項の例としては、『マジック・ザ・ギャザリング』『カルカソンヌ』などがあります。

 1.3.ハーフサイズ化またはチップ化する
 いっそカードに文字を使わずアイコン表記して、アイコンの意味はサマリーで補うという手もあります。
 枚数を減らすというよりは、カードを小さくして原価を減らす発想ですけどね。
 個人的にはアイコンの意味をいちいち翻訳しながらプレイするのが面倒なので好きではありません。
 いい例があまり思い浮かばない……『ギルドマスター』とか?

2.使いまわす
流用すればその分だけカード枚数を圧縮した事と同じになります。
 2.1.兼用する
 「AにもBにも使える」という事は、どちらか専用のコンポーネントを用意しなくて済むという事です。
 例えばカードがお金と兼用であれば、別途お金チップを用意する必要はありません。
 これはチップとも共通する話題ですね。ライフとお金が兼用とか。
 カードをお金(コスト支払い)として使ってる例は『サンファン』『ザ・シティ』等が挙げられます。

 2.2.繰り返し使える
 使ったら終わりの使い捨てカードばかりだと単純にカードの消費量が増えます。
 場に残って継続的に使用できるカードだとその点の心配がなくなります。
 一方で、場に残り過ぎる作りだと効果の全容把握が辛くなるため適切な調整が必要です。
 例としては、『マジック・ザ・ギャザリング』『マスカレード』などがあります。

3.手札を減らす
そもそも手に持つカード枚数が少なければ全体で使うカード枚数も少なくて済みます。
手札1~2枚で遊ぶゲームというのも最近は増えてきた感じですね?
とはいえ、それでゲームとして成立させるには作り手のセンスが高く要求される気がします。
例としては『ラブレター』『コヨーテ』『クク』を挙げます。

《チップを減らす施策》
カードに比べればチップの単価はだいぶ安いですが、数が集まればバカに出来ませんし、
なにより意外とかさ張る事が挙げられます。減らせるものなら減らしたい所。
そんな思いを反映してか、最近は「カードでカウント管理する」のが流行りですね。
もちろん扱う数が少なければチップの方が安上がりって場合もあるのでそこは要検討。
また「儲かったら手元でチップをジャラジャラしたい」という声もあるため、
何が何でもチップを減らすというのはゲームの風情を失ってしまう危険性もあります。

1.数字の表で管理
数字を書いた表を用意し、その上で現在値へ駒を動かして数値管理する方法。
個人用スコアボードとでも呼ぶべき存在です。
特に50を超えるくらいの数値管理をする場合、チップでやり取りするより楽だったりします。
例としては『セプター』など。

2.カードのスライドで管理
下のカードに数字表を記載し、上に重ねたカードをずらして現在値を表現する方法。
割りと色々な所で見られるようになりました。『ダンジョンレイダース』など他省略。
また、上に乗せるカードで10の位を管理するといった、向き概念との合体技もあります。
下のカードには0~9を描き、上のカードは4辺にそれぞれ10の位(0,10,20,30)を描いておくことで
向きを変えつつスライドで0~39の数値を管理することが出来ます。(『スシゴー』方式)
裏面も使えば79までいけますね。

ちなみに、どうしてもカード1枚で済ませたい場合は、カードの中に六角形や八角形を描き、
そちらの辺に数字を描くことで、4方向を超える細かい向き表現で数値管理が可能です。
ただ、あまり美しくありません。(カード形状が正方形ならマシ)

《駒(ミープル)を減らす施策》
1.擬似ワーカープレイス
駒をたくさん使うゲームといえばワーカープレイスメントが挙げられます。
それを擬似的にカードピックだけで表現しようという試みです。
要は、カードドラフト方式で1人1枚ずつカードを抜いて効果解決するのも、
1人1個ミープルを配置して効果解決するのも、やってる事は同じという話です。
「小規模ドラフトの繰り返し」とでも呼びましょうか。
ピックしたカードを公開する方式なら完全にワーカープレイスと同じになります。
唯一困るのはミープル数の差=ピック数の差をどうやって表現するかですね。
まぁピックした数をタップするなりカードの向きで管理するなりは出来るかと。
例としては、『あやつり人形』が挙げられます。

2.自分で描く
「ゲームボードをホワイトボードにして、駒をペンで描きこめば良くない?」
という型破りな発想。なんと、この方法なら駒もチップもいりません!
描くという能動的なアクション自体が楽しいとも考えられます。
一方で、ゲーム終わりに毎回綺麗に消すのは面倒といえば面倒です。
例としては『サン・マロ』があります。

《終わりに》
以上、思いつくレベルでまとめた省スペースアイデアとなります。
コンポーネントのミニマライズの話には良い顔をしない方もおられるのですが、
個人的にはこの「コンパクトにする」努力は日本のお家芸だと信じています。
やっぱり日本で考えた場合に置き場所の問題はだいぶ大きいですからね…

ここで「日本市場を見てるようじゃダーメ」という世界水準なベテラン勢には、
是非大箱ゲームで世界と勝負して頂いて、
我々駆け出し勢がニッチな所で泳げるようにしてもらえたらナー
なーんて、なーんてね……(゚∀゚)
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