2014.12.16 (Tue)
アドベントカレンダー企画感想5
この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014 の第13~15日目の記事、
のフーリガン記事として書きました。三└(┐Lε:)┘
・企画感想その4はこちら
・企画感想その3はこちら
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
13日目:ルールライティングデザインについて
著者:HAL99氏(The Game Gallery)
代表作:(未定)
ルールの書き方に関する記事。これはかなり実用的です。
と本文にも書かれています。
そうなんです!アナログゲームはルールが分からないと遊べないんです!
ところが、同人ゲームの説明書に関しては「読めないサークルはホント読めない」と昔から言われており、
「読んでも意味が分からない」という状態であったり、あるいは
「あまりにも読みにくいため、そもそも読む気にならない」という場合もあります。
読んでもらえないということは、遊んでもらえないということです。
これは製作者も遊び手も、誰も得をしない由々しき事態です。
いっそ製作者に「この書き方はダメだよ」と直接教えた方がいいのではないか、
と時々悩んでいました。(場合によっては直訴した事が何度かあります)
ガーデンゲームズさんが喧嘩読みというサービスをボランティアでされていますが、
製作者本人に読みにくいという自覚がないと、恐らく利用しないでしょうし……
しかし、今回のアドベント企画は多くのゲーム製作者も注目しているはずで、
この機会にレクチャー記事を出す事は、ライティングレベルの底上げを行い、
製作者と遊び手、みんながハッピーになるための素晴らしい第一歩だと思います。
さて、素晴らしい記事内容に関しては元記事を見て頂くとして、
書き方に関して、私の方で補足する点をいくつか挙げさせて頂きます。
・箇条書きにする … 複数の要点を1文に並べて書くより見やすくなります。
・行間を適切に空ける … 文章の塊が大きいと読みにくいです。4行前後で区切りましょう。
・主語と述語は近づける … 近距離で意味が完結している方が理解しやすいです。
・1つの文に1つの事柄を書く … 複数の内容を同時に書くと理解しにくくなります。
・回りくどい書き方は避ける … 無駄に長いと読む気を無くします。
・太字、文字色変えを使う … 文にメリハリがついて見やすくなります。但しやり過ぎは逆効果。
全体を通して言える事は、とにかく頭と目に優しく!ですね。
ところでこの「説明書の読みやすさ」、実を言うと日頃の文章にそのまま表れます。
ですので、ある人の文章が「長文にも関わらずスラスラ読める」なら説明書もそうなってますし、
逆に、「やたら言い回しがくどくてちっとも頭に入ってこない」なら説明書もそうなっています。
アドベント企画にはゲーム製作者が勢揃いしていますので、
アドベントの記事を説明書の見本市という観点で見るのも面白いかもしれません(邪悪な笑み)
14日目:なぜ我々は今日も古代ローマで石材を積むのか~テーマ選択について~
著者:N2氏(ChickenDiceGames)
代表作:Ageof Revive、Ageof Craft
テーマの話で「テーマはなくても構わない!」から始まる攻めの姿勢。イイと思います!
本文中では「古代ローマ&建築」がテーマの鉄板ネタとして賛美されているのですが、
個人的には古代ローマにも建築にもさほど興味がないので、
このテーマが大手を振っている現状には歯がゆい思いをする事も多いです。
だってー、古代の暮らしぶりって、家電も無くて大変そうだし、
ちょっとした怪我や病気ですぐ死んじゃうんだろうなぁって思うしー、
建築も豪邸に憧れがないから、建物が揃ってもあまりピンとこないんですぅー(なぜかギャル口調
では何に興味があるかと言えば、ファンタジーと仲間集めでしょうか。
ドラゴンを筆頭に幻想的な生き物大集合!なんかよく分からん魔法!
そして頼れる仲間達。そう、ゲームの中でくらいトモダチに囲まれたいのです。
……おっと、目からオイルがッ
余談はその辺にして、「テーマはなくても構わない」には私も同じ意見です。
正確に表現するなら「あっても良いし、なくても良い」でしょうか。
そもそもテーマがある事で得られるメリットは何でしょう? 私はこんな感じかなと思います。
①プロモート:興味深いテーマであればそれだけで買う
②導入サポート:ルールの導入に際して理解を助けてくれることがある
③メンタルケア:世界観が面白ければ負けても楽しめる
④イラスト発注:絵柄を発注する際にイメージ共有しやすい
①は特に説明もいらないと思うので飛ばします。
②は世界観説明の段階で、ある程度何をすれば良いのか、勝利条件は何か、が見えるという事です。
例えば「あなた達は冒険者です。ダンジョンで宝探しをします」と言われれば、
ダンジョンにはトラップとかモンスターがいて下手をすれば死ぬだろうし、
一番お宝を多く持ち帰った奴が勝つんだろうなー、くらいは予想がつきます。
しかし困ったことに、テーマとルールが噛み合っていなければ、逆に理解を阻害する一因となります。
例えば「夏の宝物を集めるゲームです」と言われても何をするのかすぐには分かりません。
また、「山札をめくっていって同じカードが出たらバースト」と言われても、
めくる行為は何を表しているのか、なぜ被ると失敗なのか、全く分かりません。
そもそも我々プレイヤーはいったい何者なのかすら……
という風に、ゲームに対して謎が増えてしまうのです。
プレイヤーの頭脳をゲームと関係ないところに使わせるべきではありません。
③は好きなことが出来ればたとえ負けたとしても気持ちは晴れやかというやつです。
建築に興味があれば、建物がズラッと並んだだけで壮観ですし、
なんだったら「建物の並びは俺が一番綺麗。試合には負けたけど勝負には勝ったな!」
くらい思えちゃいます。
④は業務的な話になってきます。
仮にテーマの特にない、色と数字だけのゲームだったとして、
絵柄発注の際に「色と数字でとにかくお洒落に仕上げて!」と言われても困ります。
「こうこうこういう世界観で、このカードはカード名が『暗殺』で…」と言われれば、
「ではこんな絵柄でどうでしょうか」という提案は遥かにしやすくなります。
確かにいずれも「あれば助かる」程度のものですので、
無理をしてまでテーマを捻り出す必要性は感じません。
とはいえ、もしルールにガッチリはまるテーマが思いつくのであれば足した方が良いのも確か。
時間が許すのであれば、考えるだけ考えてみるのは重要かと思います。
話は変わりますが、締めに書かれている「語りすぎないこと」はハッとさせられる話です。
過度な自分語りが疎ましいのは、どこの世界でも共通ですもんね……
15日目:三年でボードゲームデザイナー(仮)になる方法
著者:宮野華也氏(Meeting of Board Games)
代表作:ライアーマフィア、うそつき王国
「なんで感想を書かねばならないのか」と思いながら僕も書いてます。ナカヨシ。
しかも企画の脇で書いてるだけなので苦労して書いた所で注目される訳でもなく。
読んで感想書くだけなら簡単簡単、と最初は思ったのに、
やってみたら「読んで理解した上でプラスアルファ加えて打ち返す」という、
むしろ青学の不二みたいな技が要求されてて苦しいのなんのって。その上25人分。
まぁそんな自分語りはさておき、
今回はなんの話なのかというと、思いっきり自分語りです。
前日のN2氏の締めからのこの流れは完全にギャグです。関西の魂ここに見たり。
いいんです!聞かれてもいないのに自分の話を急に始める奴はどうかしてますが、
「自由に喋っていいですよ」と場を与えられて自分の話をする、これの何が悪い?
むしろ僕はゲームの作り方の話が続いていて退屈してた所ですよ。
ゲームづくしの中ですっごく爽やかな存在だと感心しました。
この話にゲームの作り方に関する物を期待するのであれば空振りになるかもしれません。
ただ、一人の人間がボードゲームに出会い、何を思い、どう変わったか、
それを追体験する読み物としては抜群に面白かったです。
やっぱ小説家目指してた人は違うな!
さて冷静になって、「好き」がハッキリと掴めている事は武器だと思います。
ひるがえって自分を見た時に、果たしてちゃんと掴めてるだろうか、と考えちゃいます。
私も好き鑑定士?としての観察眼を総動員して検査する必要がありそうですね。
……ところでそういうメンタルチェックってどっかにないッスかね(゚∀。)←自堕落
のフーリガン記事として書きました。三└(┐Lε:)┘
・企画感想その4はこちら
・企画感想その3はこちら
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
13日目:ルールライティングデザインについて
著者:HAL99氏(The Game Gallery)
代表作:(未定)
ルールの書き方に関する記事。これはかなり実用的です。
”ボードゲームについてくるルールマニュアルは、世の中にあふれている「取りあえず読まなくても良いけど、困った時に参照する物」ではなく「ゲームをプレイするために、ほぼ間違い無く読まれる事が前提」のマニュアルなのです。”
と本文にも書かれています。
そうなんです!アナログゲームはルールが分からないと遊べないんです!
ところが、同人ゲームの説明書に関しては「読めないサークルはホント読めない」と昔から言われており、
「読んでも意味が分からない」という状態であったり、あるいは
「あまりにも読みにくいため、そもそも読む気にならない」という場合もあります。
読んでもらえないということは、遊んでもらえないということです。
これは製作者も遊び手も、誰も得をしない由々しき事態です。
いっそ製作者に「この書き方はダメだよ」と直接教えた方がいいのではないか、
と時々悩んでいました。(場合によっては直訴した事が何度かあります)
ガーデンゲームズさんが喧嘩読みというサービスをボランティアでされていますが、
製作者本人に読みにくいという自覚がないと、恐らく利用しないでしょうし……
しかし、今回のアドベント企画は多くのゲーム製作者も注目しているはずで、
この機会にレクチャー記事を出す事は、ライティングレベルの底上げを行い、
製作者と遊び手、みんながハッピーになるための素晴らしい第一歩だと思います。
さて、素晴らしい記事内容に関しては元記事を見て頂くとして、
書き方に関して、私の方で補足する点をいくつか挙げさせて頂きます。
・箇条書きにする … 複数の要点を1文に並べて書くより見やすくなります。
・行間を適切に空ける … 文章の塊が大きいと読みにくいです。4行前後で区切りましょう。
・主語と述語は近づける … 近距離で意味が完結している方が理解しやすいです。
・1つの文に1つの事柄を書く … 複数の内容を同時に書くと理解しにくくなります。
・回りくどい書き方は避ける … 無駄に長いと読む気を無くします。
・太字、文字色変えを使う … 文にメリハリがついて見やすくなります。但しやり過ぎは逆効果。
全体を通して言える事は、とにかく頭と目に優しく!ですね。
ところでこの「説明書の読みやすさ」、実を言うと日頃の文章にそのまま表れます。
ですので、ある人の文章が「長文にも関わらずスラスラ読める」なら説明書もそうなってますし、
逆に、「やたら言い回しがくどくてちっとも頭に入ってこない」なら説明書もそうなっています。
アドベント企画にはゲーム製作者が勢揃いしていますので、
アドベントの記事を説明書の見本市という観点で見るのも面白いかもしれません(邪悪な笑み)
14日目:なぜ我々は今日も古代ローマで石材を積むのか~テーマ選択について~
著者:N2氏(ChickenDiceGames)
代表作:Ageof Revive、Ageof Craft
テーマの話で「テーマはなくても構わない!」から始まる攻めの姿勢。イイと思います!
本文中では「古代ローマ&建築」がテーマの鉄板ネタとして賛美されているのですが、
個人的には古代ローマにも建築にもさほど興味がないので、
このテーマが大手を振っている現状には歯がゆい思いをする事も多いです。
だってー、古代の暮らしぶりって、家電も無くて大変そうだし、
ちょっとした怪我や病気ですぐ死んじゃうんだろうなぁって思うしー、
建築も豪邸に憧れがないから、建物が揃ってもあまりピンとこないんですぅー(なぜかギャル口調
では何に興味があるかと言えば、ファンタジーと仲間集めでしょうか。
ドラゴンを筆頭に幻想的な生き物大集合!なんかよく分からん魔法!
そして頼れる仲間達。そう、ゲームの中でくらいトモダチに囲まれたいのです。
……おっと、目からオイルがッ
余談はその辺にして、「テーマはなくても構わない」には私も同じ意見です。
正確に表現するなら「あっても良いし、なくても良い」でしょうか。
そもそもテーマがある事で得られるメリットは何でしょう? 私はこんな感じかなと思います。
①プロモート:興味深いテーマであればそれだけで買う
②導入サポート:ルールの導入に際して理解を助けてくれることがある
③メンタルケア:世界観が面白ければ負けても楽しめる
④イラスト発注:絵柄を発注する際にイメージ共有しやすい
①は特に説明もいらないと思うので飛ばします。
②は世界観説明の段階で、ある程度何をすれば良いのか、勝利条件は何か、が見えるという事です。
例えば「あなた達は冒険者です。ダンジョンで宝探しをします」と言われれば、
ダンジョンにはトラップとかモンスターがいて下手をすれば死ぬだろうし、
一番お宝を多く持ち帰った奴が勝つんだろうなー、くらいは予想がつきます。
しかし困ったことに、テーマとルールが噛み合っていなければ、逆に理解を阻害する一因となります。
例えば「夏の宝物を集めるゲームです」と言われても何をするのかすぐには分かりません。
また、「山札をめくっていって同じカードが出たらバースト」と言われても、
めくる行為は何を表しているのか、なぜ被ると失敗なのか、全く分かりません。
そもそも我々プレイヤーはいったい何者なのかすら……
という風に、ゲームに対して謎が増えてしまうのです。
プレイヤーの頭脳をゲームと関係ないところに使わせるべきではありません。
③は好きなことが出来ればたとえ負けたとしても気持ちは晴れやかというやつです。
建築に興味があれば、建物がズラッと並んだだけで壮観ですし、
なんだったら「建物の並びは俺が一番綺麗。試合には負けたけど勝負には勝ったな!」
くらい思えちゃいます。
④は業務的な話になってきます。
仮にテーマの特にない、色と数字だけのゲームだったとして、
絵柄発注の際に「色と数字でとにかくお洒落に仕上げて!」と言われても困ります。
「こうこうこういう世界観で、このカードはカード名が『暗殺』で…」と言われれば、
「ではこんな絵柄でどうでしょうか」という提案は遥かにしやすくなります。
確かにいずれも「あれば助かる」程度のものですので、
無理をしてまでテーマを捻り出す必要性は感じません。
とはいえ、もしルールにガッチリはまるテーマが思いつくのであれば足した方が良いのも確か。
時間が許すのであれば、考えるだけ考えてみるのは重要かと思います。
話は変わりますが、締めに書かれている「語りすぎないこと」はハッとさせられる話です。
過度な自分語りが疎ましいのは、どこの世界でも共通ですもんね……
15日目:三年でボードゲームデザイナー(仮)になる方法
著者:宮野華也氏(Meeting of Board Games)
代表作:ライアーマフィア、うそつき王国
「なんで感想を書かねばならないのか」と思いながら僕も書いてます。ナカヨシ。
しかも企画の脇で書いてるだけなので苦労して書いた所で注目される訳でもなく。
読んで感想書くだけなら簡単簡単、と最初は思ったのに、
やってみたら「読んで理解した上でプラスアルファ加えて打ち返す」という、
むしろ青学の不二みたいな技が要求されてて苦しいのなんのって。その上25人分。
まぁそんな自分語りはさておき、
今回はなんの話なのかというと、思いっきり自分語りです。
前日のN2氏の締めからのこの流れは完全にギャグです。関西の魂ここに見たり。
いいんです!聞かれてもいないのに自分の話を急に始める奴はどうかしてますが、
「自由に喋っていいですよ」と場を与えられて自分の話をする、これの何が悪い?
むしろ僕はゲームの作り方の話が続いていて退屈してた所ですよ。
ゲームづくしの中ですっごく爽やかな存在だと感心しました。
この話にゲームの作り方に関する物を期待するのであれば空振りになるかもしれません。
ただ、一人の人間がボードゲームに出会い、何を思い、どう変わったか、
それを追体験する読み物としては抜群に面白かったです。
やっぱ小説家目指してた人は違うな!
さて冷静になって、「好き」がハッキリと掴めている事は武器だと思います。
ひるがえって自分を見た時に、果たしてちゃんと掴めてるだろうか、と考えちゃいます。
私も好き鑑定士?としての観察眼を総動員して検査する必要がありそうですね。
……ところでそういうメンタルチェックってどっかにないッスかね(゚∀。)←自堕落
2014.12.12 (Fri)
アドベントカレンダー企画感想4
この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014 の第10~12日目の記事、
のパパラッチ記事として書きました。( ‘ᾥ’ ) <キョェェェ
・企画感想その3はこちら
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
10日目:そば打ちについて
著者:佐々木隼氏(オインクゲームズ)
代表作:海底探検、藪の中
プレイヤーが面白いと感じる時に脳内で起きている現象をそば打ちで例えたお話。
書いてある内容自体は本に載ってそうなどこかお手本的なもので、
言ってる事は全くもって正しいのですが「それがなかなか実践出来なくて困ってる」
と思った読者は多いのではないでしょうか。
ただ、最後に書かれていた「おもしろさは相対的」に関しては、
お手本では見られない尖った意見かなと思います。ここを掘り下げてみましょう。
「必ず引き分ける方法」や「必ず勝てる方法」といった、いわゆる必勝法が存在するゲームにおいて、
必勝法を知らない内は楽しく遊べても、必勝法を知ってしまえばただの作業になってしまう――、
なかなか耳の痛い話です。
ここに続けて「だから、楽しめる人と楽しめない人がいるだけだ」、これは大胆な見解です。
話を広げるために、リメイクに置き換えてみましょう。
「リメイク作だと知らずに遊んだ時は感心したが、後でリメイクだと知って少しガッカリした」
これまた耳の痛い話です。
では、なぜガッカリするのでしょうか?
私は情報の優位性が失われるから、だと考えています。
例えば世界で自分しか知らない情報があったとしましょう。
これは価値があります。実用性のある情報なら価値はウナギ登りでしょう。
ところが実は誰でも知ってる情報でした――
こうなると途端に価値を失います。「わざわざ言う価値もない」という訳です。
リメイクだと知らなければ、ごく限られた人しか知らない貴重な体験が出来た、と満足感を持てるが、
リメイクと分かると、むしろ自分は世間よりも遅れてる、くらいに思えてしまう訳です。
しかしこの情報の優位性、自分で把握できるコミュニティ内での認知度でしか
推し量る事が出来ませんので、例えば周りが「ボドゲ?なにそれ?」という人ばかりであれば、
リメイクだろうがリメイクじゃなかろうが関係なかったりします。
最初の話に戻って、つまり必勝法を知ってしまうと楽しめない、というのは
勝利するという体験になんら価値を感じられなくなったからです。
よって、「楽しめる人と楽しめない人がいるだけ」を言い換えれば、
「知っている人と知らない人がいるだけ」と言うこともでき、そうなった場合に、
「三目並べがおもしろくないゲームという訳ではない」は事実であっても、
「三目並べが必勝法に気づきやすい(価値喪失しやすい)ゲームだ」というのは否定できません。
そうなってくると、果たして三目並べに非がないのか、は疑問に思えてきます。
とはいえ、この話は三目並べの是非を問うものではなく、
どこの人、コミュニティに「(相対的に)おもしろい」と思ってもらうか、
というマーケティングの話なんだと思います。
「マーケティングが成功していればゲームは三目並べで問題ない」という主旨かと。
著者から指摘がありました。
マーケティングの話ではなく、「面白い面白くないは相対的な尺度なので、
気にせず自分が面白いと思うものを作りましょう」という主旨とのこと。
プロダクトアウトのお話でした。読み違いご迷惑おかけ致しました。
11日目:アルパカとお絵かき
著者:ぺけ氏(高天原)
代表作:かもねぎかもかも、アルパカパカパカ
同人ゲームを作ろうという人向けの後押し記事、らしいのですが
これで背中を押せてるのかどうかはだいぶ疑問です。
まず「数万円ほどドブに捨てる勢いでつくりましょう」とありますが、
具体的な収支決算記述もなく言われても説得力がありません。
(ちなみに、普通に作ると製作費は数万円では済みません!)
売上・イベント参加費・遠征費込み込みでのトータル収支として数万円の赤字だった、
と言うのであればまだ分かります。
でもそれって、イベント参加費と遠征費が合わせて大体数万円なので、
製作費ほぼ丸々回収出来てるって意味では(同人としては)だいぶ優秀なんですよね…( ◜◡‾)
次に「処女作『にゃんでみっく』をみてください」とあります。
しかし、残念ながら現在絶版であるため、今まさに作ろうと思ってる人には
見たくても見れない人が多いのではないでしょうか?ちなみに私は持ってます(自慢か小僧ォ!)。
端的に評価するなら、
「重要な処理に関する説明が不十分で説明書には不満がありつつも、
バッティングした場合はお互いに相手の場のどこに置くか決めるという、
”選択肢がお互い相手持ち”な独特なプレイ感があり、
カード・箱ともにしっかりしているため、処女作としては十分出来が良い。」
正直、これを見ても自信には繋がらないと思います……
(高天原の公式ページに紹介があったので気になる方はそちらもどうぞ)
また、公式紹介を見て気づく方は気づくと思いますが、
著者ぺけ氏は恥Pとしての名前も持っており、
投稿したボカロPVが10万再生を超え、ニコニコ大百科にも記事が作られるくらいすごい人です。
(ニコニコ動画最盛期だった事を差し引いてもすごい事です)
ある意味、「有名ボドゲPodcasterがゲームを作る」と同じか、
それ以上の影響力を持っていた人に「いやぁ~苦労しました」と言われても、
自信を持つ要素皆無だよ!
あと「自身」って肝心な所おもいっきり誤字ってるよ!!
という魂の叫びを禁じえません。
長々と書きましたが、多くの方の声をこれにて代弁できたのではないかと。
しかし最後の、「自分の強みを知り、弱みは助けてもらおう」には大賛成です。
著者ほどこれが実践出来ている製作者を私は他に知りません。
この一点において、確かに背中を押してくれていると感服しました。
12日目:ゲーム企画の持ち込みについて
著者:まこと氏(転がる運命亭)
代表作:ID、トゥーフラグ
自作するのではなく、企画を持ち込んで企業に作ってもらう方法論。
どうしてもある程度実績ありきの話になってしまうので、
駆け出しにはハードルが高く、実例はまだまだ少ないのかなと感じます。
とはいえ、「賞に応募する」という迂回路も示されているので、
そう腐るものではないのかもしれません。
仮に無名の賞でも、堂々とアピールすれば立派に見えるものです。
ひとつ疑問点としては、
「幸いなことに、ゲームマーケットなどで企業と直接お話が出来る機会が多々あります」
と書かれているのですが、ぼくは一度もそんな機会なかったんですけど…(白目)
これは多分、「自ら企業ブースに足を運べば」という前提なんだと思います。そう、思いたい…(´・ω・`)
持ち込みの実例が増えて、もっと認知されるようになれば状況も変わってくるでしょうね。
贅沢を言わせてもらうと、狙い目の企業リストとかあると、なお嬉しかったですね。(チラッチラッ
のパパラッチ記事として書きました。( ‘ᾥ’ ) <キョェェェ
・企画感想その3はこちら
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
10日目:そば打ちについて
著者:佐々木隼氏(オインクゲームズ)
代表作:海底探検、藪の中
プレイヤーが面白いと感じる時に脳内で起きている現象をそば打ちで例えたお話。
書いてある内容自体は本に載ってそうなどこかお手本的なもので、
言ってる事は全くもって正しいのですが「それがなかなか実践出来なくて困ってる」
と思った読者は多いのではないでしょうか。
ただ、最後に書かれていた「おもしろさは相対的」に関しては、
お手本では見られない尖った意見かなと思います。ここを掘り下げてみましょう。
「必ず引き分ける方法」や「必ず勝てる方法」といった、いわゆる必勝法が存在するゲームにおいて、
必勝法を知らない内は楽しく遊べても、必勝法を知ってしまえばただの作業になってしまう――、
なかなか耳の痛い話です。
ここに続けて「だから、楽しめる人と楽しめない人がいるだけだ」、これは大胆な見解です。
話を広げるために、リメイクに置き換えてみましょう。
「リメイク作だと知らずに遊んだ時は感心したが、後でリメイクだと知って少しガッカリした」
これまた耳の痛い話です。
では、なぜガッカリするのでしょうか?
私は情報の優位性が失われるから、だと考えています。
例えば世界で自分しか知らない情報があったとしましょう。
これは価値があります。実用性のある情報なら価値はウナギ登りでしょう。
ところが実は誰でも知ってる情報でした――
こうなると途端に価値を失います。「わざわざ言う価値もない」という訳です。
リメイクだと知らなければ、ごく限られた人しか知らない貴重な体験が出来た、と満足感を持てるが、
リメイクと分かると、むしろ自分は世間よりも遅れてる、くらいに思えてしまう訳です。
しかしこの情報の優位性、自分で把握できるコミュニティ内での認知度でしか
推し量る事が出来ませんので、例えば周りが「ボドゲ?なにそれ?」という人ばかりであれば、
リメイクだろうがリメイクじゃなかろうが関係なかったりします。
最初の話に戻って、つまり必勝法を知ってしまうと楽しめない、というのは
勝利するという体験になんら価値を感じられなくなったからです。
よって、「楽しめる人と楽しめない人がいるだけ」を言い換えれば、
「知っている人と知らない人がいるだけ」と言うこともでき、そうなった場合に、
「三目並べがおもしろくないゲームという訳ではない」は事実であっても、
「三目並べが必勝法に気づきやすい(価値喪失しやすい)ゲームだ」というのは否定できません。
そうなってくると、果たして三目並べに非がないのか、は疑問に思えてきます。
とはいえ、この話は三目並べの是非を問うものではなく、
というマーケティングの話なんだと思います。
「マーケティングが成功していればゲームは三目並べで問題ない」という主旨かと。
著者から指摘がありました。
マーケティングの話ではなく、「面白い面白くないは相対的な尺度なので、
気にせず自分が面白いと思うものを作りましょう」という主旨とのこと。
プロダクトアウトのお話でした。読み違いご迷惑おかけ致しました。
11日目:アルパカとお絵かき
著者:ぺけ氏(高天原)
代表作:かもねぎかもかも、アルパカパカパカ
同人ゲームを作ろうという人向けの後押し記事、らしいのですが
これで背中を押せてるのかどうかはだいぶ疑問です。
まず「数万円ほどドブに捨てる勢いでつくりましょう」とありますが、
具体的な収支決算記述もなく言われても説得力がありません。
(ちなみに、普通に作ると製作費は数万円では済みません!)
売上・イベント参加費・遠征費込み込みでのトータル収支として数万円の赤字だった、
と言うのであればまだ分かります。
でもそれって、イベント参加費と遠征費が合わせて大体数万円なので、
製作費ほぼ丸々回収出来てるって意味では(同人としては)だいぶ優秀なんですよね…( ◜◡‾)
次に「処女作『にゃんでみっく』をみてください」とあります。
しかし、残念ながら現在絶版であるため、今まさに作ろうと思ってる人には
見たくても見れない人が多いのではないでしょうか?ちなみに私は持ってます(自慢か小僧ォ!)。
端的に評価するなら、
「重要な処理に関する説明が不十分で説明書には不満がありつつも、
バッティングした場合はお互いに相手の場のどこに置くか決めるという、
”選択肢がお互い相手持ち”な独特なプレイ感があり、
カード・箱ともにしっかりしているため、処女作としては十分出来が良い。」
正直、これを見ても自信には繋がらないと思います……
(高天原の公式ページに紹介があったので気になる方はそちらもどうぞ)
また、公式紹介を見て気づく方は気づくと思いますが、
著者ぺけ氏は恥Pとしての名前も持っており、
投稿したボカロPVが10万再生を超え、ニコニコ大百科にも記事が作られるくらいすごい人です。
(ニコニコ動画最盛期だった事を差し引いてもすごい事です)
ある意味、「有名ボドゲPodcasterがゲームを作る」と同じか、
それ以上の影響力を持っていた人に「いやぁ~苦労しました」と言われても、
自信を持つ要素皆無だよ!
あと「自身」って肝心な所おもいっきり誤字ってるよ!!
という魂の叫びを禁じえません。
長々と書きましたが、多くの方の声をこれにて代弁できたのではないかと。
しかし最後の、「自分の強みを知り、弱みは助けてもらおう」には大賛成です。
著者ほどこれが実践出来ている製作者を私は他に知りません。
この一点において、確かに背中を押してくれていると感服しました。
12日目:ゲーム企画の持ち込みについて
著者:まこと氏(転がる運命亭)
代表作:ID、トゥーフラグ
自作するのではなく、企画を持ち込んで企業に作ってもらう方法論。
どうしてもある程度実績ありきの話になってしまうので、
駆け出しにはハードルが高く、実例はまだまだ少ないのかなと感じます。
とはいえ、「賞に応募する」という迂回路も示されているので、
そう腐るものではないのかもしれません。
仮に無名の賞でも、堂々とアピールすれば立派に見えるものです。
ひとつ疑問点としては、
「幸いなことに、ゲームマーケットなどで企業と直接お話が出来る機会が多々あります」
と書かれているのですが、ぼくは一度もそんな機会なかったんですけど…(白目)
これは多分、「自ら企業ブースに足を運べば」という前提なんだと思います。そう、思いたい…(´・ω・`)
持ち込みの実例が増えて、もっと認知されるようになれば状況も変わってくるでしょうね。
贅沢を言わせてもらうと、狙い目の企業リストとかあると、なお嬉しかったですね。(チラッチラッ
2014.12.10 (Wed)
アドベントカレンダー企画感想3
この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014 の第7~9日目の記事、
のコバンザメ記事として書きました。~(‘ω‘ )~ <スィー
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
第7日目:ゲーム性の発見方法(妖精さんの活用方法)
著者:篠原氏(篠原遊戯重工)
代表作:コバンいただき、Xing(バッティング)
寝ている間にゲームを作ってくれる「妖精さん」に降りてきてもらうための方法論。
妖精さんは言い換えれば「閃き」ですね。(言っちゃうの無粋かな…)
日頃、何気ない日常の中で出会った笑い・驚き・ショックから着想を得た部品のアイデアと、
ユニークな動きを生み出すゲームエンジンである集合体のアイデアの2つを
常に頭の片隅で考え続ける事で、何らかのタイミング(主に散歩やシャワー中のリラックス時)に
歯車が噛み合ってゲーム像が出来上がる、と書かれています。
しかし驚かされるのは、「あえてメモを一切取らない事で、慢心しないようにしている」という姿勢。
これはなかなか真似できません。
「忘れてしまうようなアイディアはさして重要ではないのです」と書かれていますが、
人はどんな大事なことでも、忘れる時は忘れる生き物だと思っています。
そういう意味では、こりゃ天才型の作り方かなと思いますね(;´∀`)
第8日目:テストプレイとの付き合い方
著者:Hisashi Hayashi氏(OKAZU brand)
代表作:Rolling Japan、Sail to India
ゲームのテストプレイのやり方、および要点に関するお話。
テストプレイが上手く回せてない私みたいな駆け出し製作者にとってはありがたいですね!
要点を箇条書きすると以下の通り。
①ゲームコンセプトはハッキリと
②テスト用キットはある程度整ったものに
③テストプレイヤーの傾向、背景を知る
④プレイヤーの表情や態度を見る
⑤意見はプレイ後すぐもらう
⑥意見を鵜呑みにしない
⑦初めての感覚を大事にする
いずれも重要な観点だと感じます。しかし、慣れてこないと難しいなと思うのは②でしょうか。
見た目がしょぼい不便な状態では確かに意見がそこへ集中してしまう気がしますし、
テストプレイの感想を発信してもらう場合にも、見栄えの良い方が波及効果は大きいです。
とはいえ、そこまでの準備はなかなかに遠く _(┐「ε:)_ <ウググ…ガンバルマス
要点に関して一つ付け加えさせて頂くとすれば、
⑧意見は真摯に聞く
でしょうか。
例えば、プレイ後の感想で「どこが面白いのか、何をすればいいのか分からなかった」と言われて
「それはあなたのプレイスキルが足りないんじゃないですかね」などと考えてはいけません。
分かる人にだけ分かれば良い、と思うのであれば、そもそもテストプレイをする意味がありません。
傾聴の姿勢がなければ、テストプレイで得られる物はとても少なくなってしまうでしょう。
ゲームが難しいのか、説明が悪かったのかは判断が難しいですが、
いずれにせよ課題があるという事を教えてくれる有難い意見です。
第9日目:ボードゲームのドラマ性について考えてみる
著者:らりお氏(こたつパーティ)
代表作:(GM2015春予定)
ゲーム中に起こりうるドラマ性に関する考察で、
6日目に出た「感情を揺さぶるポイント」とも通じるものがありますね。
面白いのは、引き出したい言葉として台詞まで考えられてる所です。
不思議な事に「~な状況」と書かれるより、グッとイメージが近づく気がします。
実際、文中でドラマ性を彩る5つの要素として挙げられてるポイントを台詞と共に並べてみます。
①自由な選択 →「どうする、俺!?」
②他者への影響→「ぐわー!やられたー!」
③不意打ち余地→「バカな、私の計算に狂いなど…!」
④展開の緩急 →「ざわ・・ざわざわ・・」
⑤リプレイ要素→「勝つまでやらして!」
台詞があることで、状況が具体的にイメージしやすくなった気がしますね。
(※③に関しては原文では「予測不能性」でしたが若干言葉を置き換えています)
ドラマと台詞は切っても切り離せない関係だからでしょうか?w
普段、マーケティング論に基づく独特の切り口でボードゲーム記事を書かれている著者らりお氏。
その独自の感性がGM2015春で形になると思うと今から楽しみですね!
(↑ハードルを激上げしておくことでドラマ性を向上させる私なりのニクイ演出)
のコバンザメ記事として書きました。~(‘ω‘ )~ <スィー
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
第7日目:ゲーム性の発見方法(妖精さんの活用方法)
著者:篠原氏(篠原遊戯重工)
代表作:コバンいただき、Xing(バッティング)
寝ている間にゲームを作ってくれる「妖精さん」に降りてきてもらうための方法論。
妖精さんは言い換えれば「閃き」ですね。(言っちゃうの無粋かな…)
日頃、何気ない日常の中で出会った笑い・驚き・ショックから着想を得た部品のアイデアと、
ユニークな動きを生み出すゲームエンジンである集合体のアイデアの2つを
常に頭の片隅で考え続ける事で、何らかのタイミング(主に散歩やシャワー中のリラックス時)に
歯車が噛み合ってゲーム像が出来上がる、と書かれています。
しかし驚かされるのは、「あえてメモを一切取らない事で、慢心しないようにしている」という姿勢。
これはなかなか真似できません。
「忘れてしまうようなアイディアはさして重要ではないのです」と書かれていますが、
人はどんな大事なことでも、忘れる時は忘れる生き物だと思っています。
そういう意味では、こりゃ天才型の作り方かなと思いますね(;´∀`)
第8日目:テストプレイとの付き合い方
著者:Hisashi Hayashi氏(OKAZU brand)
代表作:Rolling Japan、Sail to India
ゲームのテストプレイのやり方、および要点に関するお話。
テストプレイが上手く回せてない私みたいな駆け出し製作者にとってはありがたいですね!
要点を箇条書きすると以下の通り。
①ゲームコンセプトはハッキリと
②テスト用キットはある程度整ったものに
③テストプレイヤーの傾向、背景を知る
④プレイヤーの表情や態度を見る
⑤意見はプレイ後すぐもらう
⑥意見を鵜呑みにしない
⑦初めての感覚を大事にする
いずれも重要な観点だと感じます。しかし、慣れてこないと難しいなと思うのは②でしょうか。
見た目がしょぼい不便な状態では確かに意見がそこへ集中してしまう気がしますし、
テストプレイの感想を発信してもらう場合にも、見栄えの良い方が波及効果は大きいです。
とはいえ、そこまでの準備はなかなかに遠く _(┐「ε:)_ <ウググ…ガンバルマス
要点に関して一つ付け加えさせて頂くとすれば、
⑧意見は真摯に聞く
でしょうか。
例えば、プレイ後の感想で「どこが面白いのか、何をすればいいのか分からなかった」と言われて
「それはあなたのプレイスキルが足りないんじゃないですかね」などと考えてはいけません。
分かる人にだけ分かれば良い、と思うのであれば、そもそもテストプレイをする意味がありません。
傾聴の姿勢がなければ、テストプレイで得られる物はとても少なくなってしまうでしょう。
ゲームが難しいのか、説明が悪かったのかは判断が難しいですが、
いずれにせよ課題があるという事を教えてくれる有難い意見です。
第9日目:ボードゲームのドラマ性について考えてみる
著者:らりお氏(こたつパーティ)
代表作:(GM2015春予定)
ゲーム中に起こりうるドラマ性に関する考察で、
6日目に出た「感情を揺さぶるポイント」とも通じるものがありますね。
面白いのは、引き出したい言葉として台詞まで考えられてる所です。
不思議な事に「~な状況」と書かれるより、グッとイメージが近づく気がします。
実際、文中でドラマ性を彩る5つの要素として挙げられてるポイントを台詞と共に並べてみます。
①自由な選択 →「どうする、俺!?」
②他者への影響→「ぐわー!やられたー!」
③不意打ち余地→「バカな、私の計算に狂いなど…!」
④展開の緩急 →「ざわ・・ざわざわ・・」
⑤リプレイ要素→「勝つまでやらして!」
台詞があることで、状況が具体的にイメージしやすくなった気がしますね。
(※③に関しては原文では「予測不能性」でしたが若干言葉を置き換えています)
ドラマと台詞は切っても切り離せない関係だからでしょうか?w
普段、マーケティング論に基づく独特の切り口でボードゲーム記事を書かれている著者らりお氏。
その独自の感性がGM2015春で形になると思うと今から楽しみですね!
(↑ハードルを激上げしておくことでドラマ性を向上させる私なりのニクイ演出)
2014.12.08 (Mon)
アドベントカレンダー企画感想2
この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014 の第4~6日目の記事、
のストーカー記事として書きました。~(‘ω‘ )~ <ウヒョォー
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
第4日目その1:ボードゲームデザインのアンチパターン
著者:jun1s氏(ちゃがちゃがゲームズ)
代表作:くだものあつめ、スタンプグラフィティ
(なんとも、コメントしづらい……)
ハッ!いや、なんとも素晴らしい記事ですね!というジョークは置いといて、
恐らくこの記事は後に続く本命記事の照れ隠しで書いたものだと思いますが、
既に実績十分な著者ですから、もっと堂々としていても良かったように思います。
このあたり妙に殊勝というか恥ずかしがり屋というか……
さて、いじめるのはこの辺にして、
内容自体はジョークですが、ジョークと侮るなかれ、
エイプリルフールのネタのつもりが話題を呼んで現実になったりと、
バカバカしいアイデアから優れた製品が生まれる事だって世の中あります。
そういう意味で、時には頭のネジを緩めて考えてみるのも大事、
って書いた人は言いたかったんだと思うな!(゚∀゚)←フォローしてるつもり
実際記事中のアイデアをピックアップすると「コンポーネントが和菓子」。
いいですね、食べ物を使うというのはなかなか斬新です。
(おばあちゃんには「食べ物で遊ぶな!」と怒られるかもしれませんが)
和菓子に限らず、カニ鍋とかケーキでも良いわけです。
蓋を開けたら裏に簡単なルールが書いてあってすぐ遊べる、
勝った人はケーキが1つ多く貰えるとか、まさにリアル「もっとホイップを」!
しかも、記事にも書いてあるように消耗品のため、継続収益に繋がります。
仮に売れ残っても自分で食べれば食費が浮きますね☆
要冷蔵なのでゲーム専門店では売れませんが、そこはケーキ屋とタイアップして
本格的に『遊べるケーキ』として全国チェーン展開を目論むとかどうでしょ!
第4日目その2:ゲームとアート、そしてデザイン
上記、jun1s氏の本命記事です。
人生ゲーム、いわゆる運ゲーを冷めた目で見るのはゲーマーによく見られる姿勢で、
もちろん私も「運ゲーって子供だましだよね~」とこれまで思っていました。
しかし、この前のゲムマ秋で出た新作の評判などを調べてみますと、
『王たちの同人誌』や『一撃ヒーローズ』は「運ゲーだけど面白い!」と
ゲーマーの方からも称賛する声が挙がっており、
やはり私も著者同様、「自分は何か大きな勘違いをしていたのでは…」と考え直したクチです。
著者はここで改めてゲームの定義に立ち返っています。
『ゲームとは、人に面白いという感情を与える仕組み』by jun1s
なるほど、原点に立ち返った根幹を成す定義だと感じます。
ではここで、一歩踏み込んで「面白い」を調べてみたいと思います。
面白いを辞書で引くと実にたくさんの意味が掲載されています。
これは古典などを見れば分かりますが、
昔の人が何でもかんでも感心することがあればすぐ「面白し!」と言ってたせいです。
んで、代表的な意味だけ挙げると、
①楽しい(joyful)、②興味深い(interesting)、③趣深い(sentimental)
の3つを含んでいるのかなと。
なので、普段我々が面白いと口にする時は結構広い意味で使ってる事になります。
しかし、作る側としては意識的に「面白い」を使い分けていきたいと思いますね。
第5日目:【ロストレガシーレジェンド創作ノートその1】分析!ロストレガシー!
著者:常時次人氏(操られ人形館)
代表作:とりっく&でざーと、ペクーニア
ゲームの分析手順について紹介されたお話。
まず第一に、勝利条件を分析する。
ゴールの瞬間というのはゲームを彩る最重要ポイントで、物語で言えばクライマックス。
そこがどう描かれているか知る事は、ゲームの大半を知る事に繋がります。
次に、特徴的な要素をメリット・デメリットに分けて分析する。
クライマックスへの細かな導入、演出方法を知るという感じですね。
こういった分析結果を自分流にリストアップしておくと、後でネタ帳として役立ちます。
話は変わりますが、ロストレガシーの他の拡張名をさり気なく話題に出して、
読者に自然と販売促進を行う様は営業の鑑だと思いましたw
第6日目:海外からみた日本の非電源ゲーム業界の特殊性について・他
著者:佐藤純一氏(Junias)
代表作:赤ずきんは眠らない、ワリトリペンギン
日本が「海外スゲェ」と見ているように、海外もまた日本の特殊性に注目している、というお話。
英語ルールありますアピールをしておけば海外の方の目にも留まりやすくなる、と。
うん、がんばりたいですね……英語苦手ですけど('A`)
あとは最後に「枠から作る」というお話が書かれています。
実を言うと私もコンセプトから作るタイプなのでよく似ているのですが、
「カードをめくってドヤ顔」という、感情を揺さぶるポイントについて
言及されているのが青天の霹靂でした。
いくら斬新なゲームでも、感情に訴えるものがなければ無機質なゲームで終わってしまう――
”人が”遊ぶという事に関して非常に考えさせられました。
また、『赤ずきんは眠らない』『ワリトリペンギン』ともに3つの条件(テーマ)を掲げて作られています。
意識的にされてるのか、無意識かは分かりませんが、これは分解すると以下のように表せそうです。
①感情に働きかける要素、②作者の拘り、③客観的に分かりやすいゲーム特徴
「要点を3つに絞る」というのが多すぎず少なすぎずで実にいいですね。
私も今後はこの3つの柱を掲げてゲームを作っていきたいと思います!
のストーカー記事として書きました。~(‘ω‘ )~ <ウヒョォー
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
第4日目その1:ボードゲームデザインのアンチパターン
著者:jun1s氏(ちゃがちゃがゲームズ)
代表作:くだものあつめ、スタンプグラフィティ
(なんとも、コメントしづらい……)
ハッ!いや、なんとも素晴らしい記事ですね!というジョークは置いといて、
恐らくこの記事は後に続く本命記事の照れ隠しで書いたものだと思いますが、
既に実績十分な著者ですから、もっと堂々としていても良かったように思います。
このあたり妙に殊勝というか恥ずかしがり屋というか……
さて、いじめるのはこの辺にして、
内容自体はジョークですが、ジョークと侮るなかれ、
エイプリルフールのネタのつもりが話題を呼んで現実になったりと、
バカバカしいアイデアから優れた製品が生まれる事だって世の中あります。
そういう意味で、時には頭のネジを緩めて考えてみるのも大事、
って書いた人は言いたかったんだと思うな!(゚∀゚)←フォローしてるつもり
実際記事中のアイデアをピックアップすると「コンポーネントが和菓子」。
いいですね、食べ物を使うというのはなかなか斬新です。
(おばあちゃんには「食べ物で遊ぶな!」と怒られるかもしれませんが)
和菓子に限らず、カニ鍋とかケーキでも良いわけです。
蓋を開けたら裏に簡単なルールが書いてあってすぐ遊べる、
勝った人はケーキが1つ多く貰えるとか、まさにリアル「もっとホイップを」!
しかも、記事にも書いてあるように消耗品のため、継続収益に繋がります。
仮に売れ残っても自分で食べれば食費が浮きますね☆
要冷蔵なのでゲーム専門店では売れませんが、そこはケーキ屋とタイアップして
本格的に『遊べるケーキ』として全国チェーン展開を目論むとかどうでしょ!
第4日目その2:ゲームとアート、そしてデザイン
上記、jun1s氏の本命記事です。
人生ゲーム、いわゆる運ゲーを冷めた目で見るのはゲーマーによく見られる姿勢で、
もちろん私も「運ゲーって子供だましだよね~」とこれまで思っていました。
しかし、この前のゲムマ秋で出た新作の評判などを調べてみますと、
『王たちの同人誌』や『一撃ヒーローズ』は「運ゲーだけど面白い!」と
ゲーマーの方からも称賛する声が挙がっており、
やはり私も著者同様、「自分は何か大きな勘違いをしていたのでは…」と考え直したクチです。
著者はここで改めてゲームの定義に立ち返っています。
『ゲームとは、人に面白いという感情を与える仕組み』by jun1s
なるほど、原点に立ち返った根幹を成す定義だと感じます。
ではここで、一歩踏み込んで「面白い」を調べてみたいと思います。
面白いを辞書で引くと実にたくさんの意味が掲載されています。
これは古典などを見れば分かりますが、
昔の人が何でもかんでも感心することがあればすぐ「面白し!」と言ってたせいです。
んで、代表的な意味だけ挙げると、
①楽しい(joyful)、②興味深い(interesting)、③趣深い(sentimental)
の3つを含んでいるのかなと。
なので、普段我々が面白いと口にする時は結構広い意味で使ってる事になります。
しかし、作る側としては意識的に「面白い」を使い分けていきたいと思いますね。
第5日目:【ロストレガシーレジェンド創作ノートその1】分析!ロストレガシー!
著者:常時次人氏(操られ人形館)
代表作:とりっく&でざーと、ペクーニア
ゲームの分析手順について紹介されたお話。
まず第一に、勝利条件を分析する。
ゴールの瞬間というのはゲームを彩る最重要ポイントで、物語で言えばクライマックス。
そこがどう描かれているか知る事は、ゲームの大半を知る事に繋がります。
次に、特徴的な要素をメリット・デメリットに分けて分析する。
クライマックスへの細かな導入、演出方法を知るという感じですね。
こういった分析結果を自分流にリストアップしておくと、後でネタ帳として役立ちます。
話は変わりますが、ロストレガシーの他の拡張名をさり気なく話題に出して、
読者に自然と販売促進を行う様は営業の鑑だと思いましたw
第6日目:海外からみた日本の非電源ゲーム業界の特殊性について・他
著者:佐藤純一氏(Junias)
代表作:赤ずきんは眠らない、ワリトリペンギン
日本が「海外スゲェ」と見ているように、海外もまた日本の特殊性に注目している、というお話。
英語ルールありますアピールをしておけば海外の方の目にも留まりやすくなる、と。
うん、がんばりたいですね……英語苦手ですけど('A`)
あとは最後に「枠から作る」というお話が書かれています。
実を言うと私もコンセプトから作るタイプなのでよく似ているのですが、
「カードをめくってドヤ顔」という、感情を揺さぶるポイントについて
言及されているのが青天の霹靂でした。
いくら斬新なゲームでも、感情に訴えるものがなければ無機質なゲームで終わってしまう――
”人が”遊ぶという事に関して非常に考えさせられました。
また、『赤ずきんは眠らない』『ワリトリペンギン』ともに3つの条件(テーマ)を掲げて作られています。
意識的にされてるのか、無意識かは分かりませんが、これは分解すると以下のように表せそうです。
①感情に働きかける要素、②作者の拘り、③客観的に分かりやすいゲーム特徴
「要点を3つに絞る」というのが多すぎず少なすぎずで実にいいですね。
私も今後はこの3つの柱を掲げてゲームを作っていきたいと思います!
2014.12.04 (Thu)
アドベントカレンダー企画感想
この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014 の第1~3日目の記事、
の粘着記事として書かれました(笑)
アドベントカレンダー企画を見た時、自分も文章を書くのは好きな方なので
手を挙げようかなと考えたのですが、ゲーム作りに関して悩んでいたため(現在進行形)、
今回は読み手に回った方がいいだろうと判断し、参加は見送っていました。
今でもその判断は正しかったと思っていますが、
横で感想文を書いて何となく企画に参加してる気分を味わうくらいはいいだろう、と思った次第(゚∀。)
そんな自分語りは置いといて、今回は1日目~3日目の3つの記事に関して感想を書きます。
第1日目:ボードゲームにおけるランダム性と公平性
著者:カレー氏(I was game)
代表作:ヴォーパルス、ダンジョンオブマンダム
ランダム性が多様性を生み、多様性がリプレイ欲求に繋がる。
しかし、ランダムであるが故にゲーム性を損ねてしまう場合もある。
……なかなか一発目から大胆なテーマです。
どこからは悪影響があるのか、つまり運ゲーなのか、といった線引はとても難しく、
ゲーム関係者の多くが渋い顔をするテーマだと思います。
とはいえ、初日から発破をかけたのは後に続く執筆者にとって良い狼煙になったのではないでしょうか。
さて、内容に関してはウンウンと頷くお話ばかりで、何か口を挟むのも無粋なくらいなのですが一点、
"繰り返しプレイすることを前提としたゲームが本当に繰り返しプレイされるかどうかは疑わしいものです。実際のところ、あなたは『ウノ』を複数ラウンドプレイして得点計算しているでしょうか?"
に関して共感したので特記させていただこかなと。
私は3回以上プレイさせるゲームがあまり好きではありません。
手札の運を平準化させる効果は期待できず、手間だけが増えてると感じるからです。
以下に理由を述べます。

仮に1回だけプレイした時の手札の偏りが①のような分布になっていたとしましょう。
これに対して我々は「可能な限り極端な状況を無くし、良くも悪くもない真ん中あたりの手札が来やすい」
状況を理想形とします。つまり②の状態です。
この平準化を行うために「試行回数を増やす」という対策は理論的に全く持って正しいです。
ところが、実際の体感は「尚更極端な状況を誘発する」(③の状態)です。
そんなバカな!?手札は平準化されてるはずなのに…!
トリックは簡単です。③は手札の話から結果の話にすり替わっています。
要は引きと結果を混同している訳ですが、やはり何も間違えてません。
運と結果の間に繋がりがないのなら、そもそも運の平準化をする必要はないのですから。
運が結果に影響するゲームだから平準化したいのです。
ではなぜ結果が極端になるのか?
理由は点数積み上げ型のルールを採用するためです。
たまたま大きく負けた/勝った結果を、結局次に引き継いでしまう。
負債を抱えたままだと(運良くトップがコケてくれない限りは)大きく勝たなければ取り返せません。
ここで例えば、「1位は3点、2位は2点、3位は1点、4位は0点」という、
勝ち方に関係なく、順位に対して一定の配点が行われるようにしたとしましょう。
こうすると結果は理想形に近づきます。
しかしこれでは、同じくらいの点数が増えてしまい、決着がつかない恐れがあります。
きっちり決着をつけるためには、1回のゲームで出来るだけ広い点差がつかないと困るのです。
じゃあ、①の状態と③の状態って大差なくない?むしろ悪化してない?と思ってしまう訳で。
もちろん、点数積み上げ型には他にもメリットがあり、
点数が走ってるプレイヤーがあがりそうなら他が結託して阻止する、
いわゆる「トップ叩きによるバランス調整」が取れる可能性があります。
しかしながら、1回につき大きな点差がつきやすい仕様上、なかなか結託する気分になれず、
結局みんな自分の勝ちだけを目指して動くことが多いように思います。
で結論は、1回勝負でいいじゃん、と(笑)
第2日目:100均のすすめ(ボードゲーム製作)
著者:タイシン氏(倦怠期)
代表作:タイムカプセル、dois
試作品を安価で作れば懐も傷まないし、ボツにする時も気が楽ですよ、というお話。
また、100均の商品はアイデア商品が多く、そういった今までにないアイデアに触れることで
アイデアが触発されることもあるよ、という興味深いお話でした。
第3日目:マルチプレイヤーズゲームからソロプレイゲームを作る
著者:寺島由人氏(遊星ゲームズ)
代表作:ヘイムスクリングラ、ワールドモンガー等
最近流行りの一人用ゲームに関して、
「ドイツ産ボードゲームに無かった遺伝子。つまりコンピュータゲーム」
と、ズバリ切り込んでるのは感動的でした。
実際、『シェフィ』や『ゴリティア』を生み出したポーンさんは元々フリーゲームの開発者ですし、
『うどんエイリアン』の作者シッポさんはポーンさんの友達で、やはりフリーゲーム開発者。
一人用TRPG『ソルヴァーズ』の作者スパ帝氏もデジタルゲームプレイヤーです。
しかも調べてみたら、ポーンさんは2000年からフリーゲームを作ってるらしく
(ちなみにシッポさんは1997年から)、言うなればその道のプロです。10年選手どころじゃない。
思いつきで出した一人用ゲームがたまたま当たった訳ではなく、
それまでの長い積み重ねから繰り出された必殺の一撃だった訳です。
で、このドイツゲーマーには馴染みの薄い一人用ゲームのノウハウ、
ポイントは「乱数発生装置自体が面白いことではないか」と寺島氏は締めくくっています。
具体例がデッキ構築、くらいしかなかったのでふんわりした感じになっていますが、
逆に言えばまだまだ一人用ゲームのアナログエンジンは見つかってない可能性があり、
今後もデジタルゲームからの遺伝子が続々と参入してくるかもしれませんね。
個人的には「長く分かたれていた光と闇が、今ひとつに!」みたいな感じでテンション上がってます。
の粘着記事として書かれました(笑)
アドベントカレンダー企画を見た時、自分も文章を書くのは好きな方なので
手を挙げようかなと考えたのですが、ゲーム作りに関して悩んでいたため(現在進行形)、
今回は読み手に回った方がいいだろうと判断し、参加は見送っていました。
今でもその判断は正しかったと思っていますが、
横で感想文を書いて何となく企画に参加してる気分を味わうくらいはいいだろう、と思った次第(゚∀。)
そんな自分語りは置いといて、今回は1日目~3日目の3つの記事に関して感想を書きます。
第1日目:ボードゲームにおけるランダム性と公平性
著者:カレー氏(I was game)
代表作:ヴォーパルス、ダンジョンオブマンダム
ランダム性が多様性を生み、多様性がリプレイ欲求に繋がる。
しかし、ランダムであるが故にゲーム性を損ねてしまう場合もある。
……なかなか一発目から大胆なテーマです。
どこからは悪影響があるのか、つまり運ゲーなのか、といった線引はとても難しく、
ゲーム関係者の多くが渋い顔をするテーマだと思います。
とはいえ、初日から発破をかけたのは後に続く執筆者にとって良い狼煙になったのではないでしょうか。
さて、内容に関してはウンウンと頷くお話ばかりで、何か口を挟むのも無粋なくらいなのですが一点、
"繰り返しプレイすることを前提としたゲームが本当に繰り返しプレイされるかどうかは疑わしいものです。実際のところ、あなたは『ウノ』を複数ラウンドプレイして得点計算しているでしょうか?"
に関して共感したので特記させていただこかなと。
私は3回以上プレイさせるゲームがあまり好きではありません。
手札の運を平準化させる効果は期待できず、手間だけが増えてると感じるからです。
以下に理由を述べます。

仮に1回だけプレイした時の手札の偏りが①のような分布になっていたとしましょう。
これに対して我々は「可能な限り極端な状況を無くし、良くも悪くもない真ん中あたりの手札が来やすい」
状況を理想形とします。つまり②の状態です。
この平準化を行うために「試行回数を増やす」という対策は理論的に全く持って正しいです。
ところが、実際の体感は「尚更極端な状況を誘発する」(③の状態)です。
そんなバカな!?手札は平準化されてるはずなのに…!
トリックは簡単です。③は手札の話から結果の話にすり替わっています。
要は引きと結果を混同している訳ですが、やはり何も間違えてません。
運と結果の間に繋がりがないのなら、そもそも運の平準化をする必要はないのですから。
運が結果に影響するゲームだから平準化したいのです。
ではなぜ結果が極端になるのか?
理由は点数積み上げ型のルールを採用するためです。
たまたま大きく負けた/勝った結果を、結局次に引き継いでしまう。
負債を抱えたままだと(運良くトップがコケてくれない限りは)大きく勝たなければ取り返せません。
ここで例えば、「1位は3点、2位は2点、3位は1点、4位は0点」という、
勝ち方に関係なく、順位に対して一定の配点が行われるようにしたとしましょう。
こうすると結果は理想形に近づきます。
しかしこれでは、同じくらいの点数が増えてしまい、決着がつかない恐れがあります。
きっちり決着をつけるためには、1回のゲームで出来るだけ広い点差がつかないと困るのです。
じゃあ、①の状態と③の状態って大差なくない?むしろ悪化してない?と思ってしまう訳で。
もちろん、点数積み上げ型には他にもメリットがあり、
点数が走ってるプレイヤーがあがりそうなら他が結託して阻止する、
いわゆる「トップ叩きによるバランス調整」が取れる可能性があります。
しかしながら、1回につき大きな点差がつきやすい仕様上、なかなか結託する気分になれず、
結局みんな自分の勝ちだけを目指して動くことが多いように思います。
で結論は、1回勝負でいいじゃん、と(笑)
第2日目:100均のすすめ(ボードゲーム製作)
著者:タイシン氏(倦怠期)
代表作:タイムカプセル、dois
試作品を安価で作れば懐も傷まないし、ボツにする時も気が楽ですよ、というお話。
また、100均の商品はアイデア商品が多く、そういった今までにないアイデアに触れることで
アイデアが触発されることもあるよ、という興味深いお話でした。
第3日目:マルチプレイヤーズゲームからソロプレイゲームを作る
著者:寺島由人氏(遊星ゲームズ)
代表作:ヘイムスクリングラ、ワールドモンガー等
最近流行りの一人用ゲームに関して、
「ドイツ産ボードゲームに無かった遺伝子。つまりコンピュータゲーム」
と、ズバリ切り込んでるのは感動的でした。
実際、『シェフィ』や『ゴリティア』を生み出したポーンさんは元々フリーゲームの開発者ですし、
『うどんエイリアン』の作者シッポさんはポーンさんの友達で、やはりフリーゲーム開発者。
一人用TRPG『ソルヴァーズ』の作者スパ帝氏もデジタルゲームプレイヤーです。
しかも調べてみたら、ポーンさんは2000年からフリーゲームを作ってるらしく
(ちなみにシッポさんは1997年から)、言うなればその道のプロです。10年選手どころじゃない。
思いつきで出した一人用ゲームがたまたま当たった訳ではなく、
それまでの長い積み重ねから繰り出された必殺の一撃だった訳です。
で、このドイツゲーマーには馴染みの薄い一人用ゲームのノウハウ、
ポイントは「乱数発生装置自体が面白いことではないか」と寺島氏は締めくくっています。
具体例がデッキ構築、くらいしかなかったのでふんわりした感じになっていますが、
逆に言えばまだまだ一人用ゲームのアナログエンジンは見つかってない可能性があり、
今後もデジタルゲームからの遺伝子が続々と参入してくるかもしれませんね。
個人的には「長く分かたれていた光と闇が、今ひとつに!」みたいな感じでテンション上がってます。