2014.12.29 (Mon)
一人用ゲームの分析
某T氏よろしく、一人用ゲームに関して考えをまとめておこうと思った。
まずは一人用ゲームの有名ドコロをピックアップし、
その特徴を並べることで共通項を探ってみたい。
ロビンソン漂流記:
・災厄を2枚めくってどちらか選ぶ
・体力(有限リソース)を払ってここぞという時に追加ドロー出来る
・勝利すると有用なカードがデッキに入る
・敗北すると体力を削られるが、不要なカードをデッキから除外出来る
・山札が一周するたびに災厄の難度が上がる(計三周する)
オニリム:
・出して引く、の繰り返し
・同色3枚揃えていくのが目的で、色ごとに枚数構成が違う
・悪夢カードを引くと複数のマイナス効果からひとつ選ぶ
・鍵カードを使うと複数のプラス効果からひとつ選べる
シェフィ:
・出して引く、の繰り返し
・不要なカードを除外するのがポイント
・鉄板コンボが存在する
・山札が一周するたびにノルマが上がる
ゴリティア:
・引いて出す、の繰り返し
・ゴリラの数とランクによって様々なスキルが使える
・ターン終わりにフードサプライあり
・山札の枚数構成に調整余地あり
ソルヴァーズ:
・ダイスの出目を項目に割り当てる
・ミッション毎に達成目標、項目が変わる
・ピッタリ達成でボーナスが出る
・キャラ作成時及びレベルアップ時のステータス割り振り
・施設、装備の購入あり
ドワーフの城塞:
・ダイスの出目を項目に割り当てる
・割り振り項目の種類は不変。達成目標は徐々に上昇
・ラウンド毎にどの項目を強化するか選ぶ
・ピッタリ達成でボーナスが出る
全体に共通する傾向として、以下の流れでゲームが作られている。
①毎ターン何かしらの課題が発生する
②いくつかの選択肢から対応を選ぶ
③フィードバックを得る
ただしこれらは「一人用ゲーム」に別段限った話ではなく、ゲーム全般にも言えることである。
目新しい話ではないかもしれないが話を続ける。
極端な話、固定の課題×固定の選択肢×固定の結果ではゲームにならない。
ゲーム、というか装置であるためには変数が必要だ。
という訳で、次はどこに変数を持たせるかという話になる。
先の例に則して簡単に分類してみよう。
①課題に揺れ幅:ロビンソン、オニリム(の悪夢)
②選択肢に揺れ幅:シェフィ、ゴリティア、ソルヴァーズ、ドワーフ
③結果に揺れ幅:TRPG
なんとなく、選択肢に幅を持たせるのが今風という印象を受ける。
ここで幅の持たせ方、いわゆる乱数発生装置について触れよう。
具体的に名前を挙げれば、カードとダイス、この2つになる。
ところで話が横に逸れるが、カードとダイスに続く第三のツールは必要だろうか?
「あるに越したことはない」が答えになるので質問が適切ではないのだが、
かといって何もない所からいきなりやって来てくれたりはしない。
そもそも人がなぜゲームで遊ぶかと言えば、「知る」ためである。
人間という生き物はつくづくポジティブに作られていて、知ることに快楽を覚えるように出来ている。
ゲームを通じて何を知るかといえば、リスクヘッジの手法であったり、発想の転換方法、
もちろんプレイ相手のことだって分かる。
そのために必要なのはツールではなくシチュエーションである。
もっとも、シチュエーションからツールが生まれるとも言えるのだけど。
さて、元の話に戻る。
カードとダイスを乱数発生装置として比べた場合、カードは完全な乱数発生装置とは言えない。
引けば引くほどカウンティングにより、後のカードの目星がつきやすくなっていく。
無論、それをゲーム性として組み込むことも可能ではあるが、
残りのカードの組合せから考えて勝機がない、という事が早々と分かってしまうケースが出る。
新鮮な状況の発生率という点においてはダイスに分があるのではないか?
(カードを引くたびにシャッフルして引き直せば完全な乱数発生装置になるが…)
しかしこれは製作者にとってはあまり嬉しくない話である。
実を言うとダイスは原価が高い、
正確に言うなら、発行部数を増やしてもカードのようにはコストダウンされない。
有能だが出来れば頼りにしたくない、シャアみたいな奴である。
しかしこれは、言い換えれば新しいシチュエーションが発生しているとも考えられる。
新しいツールの土台として検討してみるのも面白いかもしれない。
まとめ:
・選択肢が毎回変化するのが今風
・ダイスは優秀な乱数発生装置である
・しかしダイスは高いので別手段を検討してみたい