2015.07.06 (Mon)
駆け出し奮闘記「ゲーム製作失敗事例集」
「作りたい」と心の中で思ったならッ!その時スデに参加申込は終わっているんだッ!
ゲムマ秋の募集が始まりましたね。もう申し込みましたか?当然申し込みましたね?(゚∀゚)
この秋から初参戦という、初々しい方々もたくさんいらっしゃることかと思います。
今回はそんな方たち向けに私がこれまでやらかした失敗談をお聞き頂きたい。
いずれも個人的なミスですが、周りで話を聞くとみな似たような事をやらかしているので
「誰もが通る道」なのかも、とは感じますね。まま、聞いておいて損はないですよ。
先人の屍を越えていくのも後人に課せられた使命です。
case1.盛りすぎ
「あぁ~ラブレター面白いわ~こんな遊びやすくて盛り上がるゲーム作りたいんじゃ~」
「宝石の煌きみたいにコンポーネントがしっかりしてるとそれだけでテンション上がる~」
「アグリコラみたいにランダムサプライでカード構成が毎回変わるとリプレイにも繋がるよね~」
遊びやすくて、奥が深くて、見栄えが豪華で、繰り返し遊べて……
理想のゲーム像を考えるのは決して悪いことではないのですが、
「頭はライオン、胴体は山羊で尻尾は毒蛇…口から火を吐き空も飛ぶ…」
といったキマイラは残念ながらファンタジーの世界にしかいません。
現実世界にキマイラを生み出そうとしても出来上がるのは闇鍋です。
初めて作る時はついつい気合が入りすぎてしまい、
経験がないにも関わらずやたら凝ったものを作ろうとしがちです。(夢見る少年時代)
結果的に「カードが200枚超えた」とか「原価計算してみたら1個3000円超えた」とか、
そうして「100部作ったら総費用は30万円だ、40万円だ」「……作れない」
そういった話の実に多いこと。
しばしばデザインの極意として「引き算の美学」が挙げられます。
要素を減らしつつも機能を損なわない、むしろ向上させることこそ誉れとされています。
ただ機能を足していくだけでは下の下だという訳です。
かくいう私も初めてゲームを作った時はカードが100枚近かったです。
あれもしたいこれもしたいという思いがあったので削りきれなかったんですね。
そして蓋を開ければ原価率は8割越え。数も奮わなかったので見事に大赤字を抱えましたw
作り始める前はみなさん「好きで作るのだから別に赤字でも構わない」と気軽におっしゃいます。
しかし本当に赤字を抱えた時、同じ台詞を心の底から言える人はいません。
作って、持ち込んで、ブースに立って、売る、という一連の流れには
お金以外にも膨大な時間と労力がかかります。
それだけやって、残ったのが「たくさんの在庫と赤字でした」というのは相当キます。
ダメージがお金だけに留まらないということは経験してみないと実感が湧きません。
えー……だいぶダークサイドの話をし過ぎたので話を元に戻すと、
初めての時は「とにかく背伸びしない」ことをオススメします。
どうしても盛りたくなったら、「要素を増やさずに同じ事が出来ないか」必死に考えることです。
あなたが今後もゲームを作りたいと願うなら、リスクヘッジはいくらしてもし過ぎという事がない。
case2.テキストに頼りすぎ
TCGをやっていると罹患する病気のひとつに「長文鈍感症」というものがあります。
うそです。そんな病気はありませんが長ったらしいテキストを「読みにくいな」と感じなくなります。
ここまで長文でしたが気にせず読めた方は手遅れかもしれません。またもやうそです。
まじめに書いてください。すいません。
このTCGという病にかかると、派手な特殊効果が飛び交うようなゲームを作りたくなるようです。
しかし特殊効果で積み上げたゲームはあとあと収拾がつかなくなります。
どういうことかというと、
「テストプレイをした結果、Aというカードが強すぎることが分かった」
「そこでAを弱くしたが、Aが弱くなったことでAのメタカードであったBが相対的に価値が下がった」
「そこでBの使い勝手を上げたが、Bが強くなったことでBのメタカードであるCが…」
エターナルバタフライエフェクト!!(作者は死ぬ)
TCGのジャンケン要素を手本にして作ると非常に陥りやすい現象です。
ところが本家本元のTCGはこういったエンドレスワルツには陥りません。
理由は圧倒的にカードプールが多いからです。
1枚や2枚や9枚くらいバランスのおかしなカードがあったところで些細なこと。
いよいよもって危なくなったら禁止カードにしてしまえば良い。なぁにまだ他にもカードはありますよ。
ところが同人ゲームではそうも言ってられません。
カードプールの少なさ故にたった1枚のさじ加減がゲームに大きな影響を及ぼしてしまいます。
これを避けるためにはTCGの真似をやめることです。
「こういう効果があると派手だから」「遊戯王にもこういう効果あるから」
といった根拠を採用理由にはしないようにしましょう。
特殊効果ありき、でデザインするのではなく、最低限の簡素な骨格だけで動かしてみて、
その上で欲しい効果が何か考えるようにすると地獄の盆踊りから解放されます。
とはいえ、この土台作りが初めてで出来るかと言われると、それはまた別のお話…
case3.俺が神だ
傑作を思いついたぞ!
何回も自分で回してみたが何度やっても面白い!
これは間違いなく売れるッ!!
売れませんでした。
どうやら面白いと思ったのは僕だけのようです。
なぜこんなことになったのでしょう?
神様の視点でゲームに接したのが良くなかったみたいです。
一人回しをする時は、仮想プレイヤー1、仮想プレイヤー2…という形で一人何役もこなしつつ
ゲームの挙動を見守るのですが、本来知らないはずの他プレイヤーの手札が見えてしまうことで、
さながら芸能人格付けチェックで自信満々に不正解を選ぶ出演者を笑うように、
実際のプレイヤーには認識できない観衆視点の盛り上がりを幻視してしまう事があります。
プレイヤーの選択が傍からどれだけ滑稽に映ろうと、当人達にそれは共有されません。
カイジのEカードを実際に遊んでみたらただのクソゲーだった、と同じ話ですね。
高みの見物というのはそれだけである程度面白いのです。
でもそれはゲーム自体が面白い訳ではありません。決して。
この勘違いは初めて作る時は陥らない失敗かもしれません。
どちらかと言えば過去何度か作って慣れが出てきて、腕に自信がついてきた頃にやらかすのでしょう。
(ちなみにぼくは3回目でやりました)
「車の運転は慣れてきた頃が一番危ない」ってホントソウデスヨネ。
この症状に関しては一度かかってしまうと現実に打ちのめされるまで解けることはありません。
冷静な第三者が親身に忠告をしてくれても自分に酔っているため、
「あいつには分からないだけサ」と聞く耳を持ちません。あたしってほんとバカ。
まだかかり始めであれば引き返せるかもしれません。
こういう症状があると知っておくことで予防に努めましょう。家に帰ったら手洗いうがいだ╭( ・ㅂ・)و
以上、三大失敗事例集となります。
いやぁこうして振り返ってみると「俺よくまだゲーム作ってるな」って思いますね!
どわーっはっはっは! はは……ハハハハ…
(親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいく)
それじゃあみんな、次の地獄(ゲームマーケット)で会おうぜ。
ゲムマ秋の募集が始まりましたね。もう申し込みましたか?当然申し込みましたね?(゚∀゚)
この秋から初参戦という、初々しい方々もたくさんいらっしゃることかと思います。
今回はそんな方たち向けに私がこれまでやらかした失敗談をお聞き頂きたい。
いずれも個人的なミスですが、周りで話を聞くとみな似たような事をやらかしているので
「誰もが通る道」なのかも、とは感じますね。まま、聞いておいて損はないですよ。
先人の屍を越えていくのも後人に課せられた使命です。
case1.盛りすぎ
「あぁ~ラブレター面白いわ~こんな遊びやすくて盛り上がるゲーム作りたいんじゃ~」
「宝石の煌きみたいにコンポーネントがしっかりしてるとそれだけでテンション上がる~」
「アグリコラみたいにランダムサプライでカード構成が毎回変わるとリプレイにも繋がるよね~」
遊びやすくて、奥が深くて、見栄えが豪華で、繰り返し遊べて……
理想のゲーム像を考えるのは決して悪いことではないのですが、
「頭はライオン、胴体は山羊で尻尾は毒蛇…口から火を吐き空も飛ぶ…」
といったキマイラは残念ながらファンタジーの世界にしかいません。
現実世界にキマイラを生み出そうとしても出来上がるのは闇鍋です。
初めて作る時はついつい気合が入りすぎてしまい、
経験がないにも関わらずやたら凝ったものを作ろうとしがちです。(夢見る少年時代)
結果的に「カードが200枚超えた」とか「原価計算してみたら1個3000円超えた」とか、
そうして「100部作ったら総費用は30万円だ、40万円だ」「……作れない」
そういった話の実に多いこと。
しばしばデザインの極意として「引き算の美学」が挙げられます。
要素を減らしつつも機能を損なわない、むしろ向上させることこそ誉れとされています。
ただ機能を足していくだけでは下の下だという訳です。
かくいう私も初めてゲームを作った時はカードが100枚近かったです。
あれもしたいこれもしたいという思いがあったので削りきれなかったんですね。
そして蓋を開ければ原価率は8割越え。数も奮わなかったので見事に大赤字を抱えましたw
作り始める前はみなさん「好きで作るのだから別に赤字でも構わない」と気軽におっしゃいます。
しかし本当に赤字を抱えた時、同じ台詞を心の底から言える人はいません。
作って、持ち込んで、ブースに立って、売る、という一連の流れには
お金以外にも膨大な時間と労力がかかります。
それだけやって、残ったのが「たくさんの在庫と赤字でした」というのは相当キます。
ダメージがお金だけに留まらないということは経験してみないと実感が湧きません。
えー……だいぶダークサイドの話をし過ぎたので話を元に戻すと、
初めての時は「とにかく背伸びしない」ことをオススメします。
どうしても盛りたくなったら、「要素を増やさずに同じ事が出来ないか」必死に考えることです。
あなたが今後もゲームを作りたいと願うなら、リスクヘッジはいくらしてもし過ぎという事がない。
case2.テキストに頼りすぎ
TCGをやっていると罹患する病気のひとつに「長文鈍感症」というものがあります。
うそです。そんな病気はありませんが長ったらしいテキストを「読みにくいな」と感じなくなります。
ここまで長文でしたが気にせず読めた方は手遅れかもしれません。またもやうそです。
まじめに書いてください。すいません。
このTCGという病にかかると、派手な特殊効果が飛び交うようなゲームを作りたくなるようです。
しかし特殊効果で積み上げたゲームはあとあと収拾がつかなくなります。
どういうことかというと、
「テストプレイをした結果、Aというカードが強すぎることが分かった」
「そこでAを弱くしたが、Aが弱くなったことでAのメタカードであったBが相対的に価値が下がった」
「そこでBの使い勝手を上げたが、Bが強くなったことでBのメタカードであるCが…」
エターナルバタフライエフェクト!!(作者は死ぬ)
TCGのジャンケン要素を手本にして作ると非常に陥りやすい現象です。
ところが本家本元のTCGはこういったエンドレスワルツには陥りません。
理由は圧倒的にカードプールが多いからです。
1枚や2枚や9枚くらいバランスのおかしなカードがあったところで些細なこと。
いよいよもって危なくなったら禁止カードにしてしまえば良い。なぁにまだ他にもカードはありますよ。
ところが同人ゲームではそうも言ってられません。
カードプールの少なさ故にたった1枚のさじ加減がゲームに大きな影響を及ぼしてしまいます。
これを避けるためにはTCGの真似をやめることです。
「こういう効果があると派手だから」「遊戯王にもこういう効果あるから」
といった根拠を採用理由にはしないようにしましょう。
特殊効果ありき、でデザインするのではなく、最低限の簡素な骨格だけで動かしてみて、
その上で欲しい効果が何か考えるようにすると地獄の盆踊りから解放されます。
とはいえ、この土台作りが初めてで出来るかと言われると、それはまた別のお話…
case3.俺が神だ
傑作を思いついたぞ!
何回も自分で回してみたが何度やっても面白い!
これは間違いなく売れるッ!!
売れませんでした。
どうやら面白いと思ったのは僕だけのようです。
なぜこんなことになったのでしょう?
神様の視点でゲームに接したのが良くなかったみたいです。
一人回しをする時は、仮想プレイヤー1、仮想プレイヤー2…という形で一人何役もこなしつつ
ゲームの挙動を見守るのですが、本来知らないはずの他プレイヤーの手札が見えてしまうことで、
さながら芸能人格付けチェックで自信満々に不正解を選ぶ出演者を笑うように、
実際のプレイヤーには認識できない観衆視点の盛り上がりを幻視してしまう事があります。
プレイヤーの選択が傍からどれだけ滑稽に映ろうと、当人達にそれは共有されません。
カイジのEカードを実際に遊んでみたらただのクソゲーだった、と同じ話ですね。
高みの見物というのはそれだけである程度面白いのです。
でもそれはゲーム自体が面白い訳ではありません。決して。
この勘違いは初めて作る時は陥らない失敗かもしれません。
どちらかと言えば過去何度か作って慣れが出てきて、腕に自信がついてきた頃にやらかすのでしょう。
(ちなみにぼくは3回目でやりました)
「車の運転は慣れてきた頃が一番危ない」ってホントソウデスヨネ。
この症状に関しては一度かかってしまうと現実に打ちのめされるまで解けることはありません。
冷静な第三者が親身に忠告をしてくれても自分に酔っているため、
「あいつには分からないだけサ」と聞く耳を持ちません。あたしってほんとバカ。
まだかかり始めであれば引き返せるかもしれません。
こういう症状があると知っておくことで予防に努めましょう。家に帰ったら手洗いうがいだ╭( ・ㅂ・)و
以上、三大失敗事例集となります。
いやぁこうして振り返ってみると「俺よくまだゲーム作ってるな」って思いますね!
どわーっはっはっは! はは……ハハハハ…
(親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいく)
それじゃあみんな、次の地獄(ゲームマーケット)で会おうぜ。
2015.07.04 (Sat)
酔いどれメデューサ ヴァリアントルール
酔いどれメデューサの追加用ルール(ヴァリアントルール)を公開します。
《亡者のうめき》
投票前の相談が長引くと脱落したプレイヤーは結構暇なのでその救済(?)策です。
・メデューサを見て脱落したプレイヤーも、投票前の自由相談中にしゃべる事が出来ます。
ただし亡者化しているため普通にしゃべる事は出来ません。
亡者らしく「あ゛ー」や「う゛ー」とだけしゃべれます。
身振り手振りを交えながら、亡者らしく生存者に思いを伝えましょう。
・このルールを採用する場合は、途中脱落した時点で目を閉じて、それ以上の情報を
得ないようにしてください。
《亡者のうめき》
投票前の相談が長引くと脱落したプレイヤーは結構暇なのでその救済(?)策です。
・メデューサを見て脱落したプレイヤーも、投票前の自由相談中にしゃべる事が出来ます。
ただし亡者化しているため普通にしゃべる事は出来ません。
亡者らしく「あ゛ー」や「う゛ー」とだけしゃべれます。
身振り手振りを交えながら、亡者らしく生存者に思いを伝えましょう。
・このルールを採用する場合は、途中脱落した時点で目を閉じて、それ以上の情報を
得ないようにしてください。
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