2014.12.27 (Sat)
アドベントカレンダー企画感想8
この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014 の第22~25日目の記事、
のスナイパー記事として書きました。>(゚∀゚)<
・企画感想その7はこちら
・企画感想その6はこちら
・企画感想その5はこちら
・企画感想その4はこちら
・企画感想その3はこちら
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
22日目:トスのインタラクション
著者:円卓P氏(数寄ゲームズ)
代表作:姫騎士逃ゲテ~
序文で界隈を指して「ゴールドラッシュ」という表現が全く同感だったので笑いました。
ただしこの界隈に埋まってるのは金ではなく夢とか浪漫ではありますけど。
とはいえ、現代で夢が見られるのは貴重です。遊園地を回るのと同じですね。
さて本論に入って、ドイツゲームの分析、特に『トス』に関するお話です。
よくドイツゲームの特徴に関しては、
「テキストレスである」
「木製のコンポーネントがよく使われる」
「古代・中世テーマ、あるいはノンテーマが多い」
みたいな切り口で語られることが多いのですが、
いずれも表層的な部分でいまいちピンと来ないことが多いです。
しかし今回のお話は特有のインタラクションに関して掘り下げた話になっており、
なるほどなーと感心させられました。
要するに、「自分の行動が他の人間の得になるようにルールが作られており、
出来るだけ得を薄くするよう考えて行動を決めねばならん」という訳です。
「相対的に損をさせる」のであれば直接攻撃要素があった方が分かりやすいのですが、
あえて遠回しなインタラクションをドイツゲームが好むのは、
背景に国民性、ひいては戦争の歴史があるのかな、と思うのは考えすぎでしょうか?
この辺は日本も似たところがあるのか、直接攻撃を嫌う人は多いですよね。
ドイツゲームに関してこれまでにない斬新な切り口で、大変勉強になりました。
こういった有益な分析が増えればドイツゲームももっと増えると思います!(゚∀゚)
23日目:ドラフト式ボードゲームのドラフトの仕組み(システム)について考えてみる
著者:坂下氏(Power9Games)
代表作:ひつじとどろぼう、Dragon's Stone
ドラフトゲームをメインに作られてる方ならではの記事ですね。
世の中にはブラフゲームを専門に手がけてるデザイナーもいらっしゃいますが、
こういった一芸を極める戦略もありなのかもしれません。
この記事には濃厚なノウハウが詰め込まれており、読み手として大助かり。
ここまで手の内見せちゃって良かったんでしょうかw
個人的にはドラフトテクニックの紹介が一番ためになりました。
普段みんなそんな事考えてドラフトしてたのね、と。
その後にはこういったテクニックを活かすための観点で
デザイン論が語られているのですが、ほんと至れり尽くせりですね。
読んでるとドラフトすげぇ!という気分になってくるのですが、
きっちり「大富豪でドラフトをやったら大味になるだけ」と言及してあって、
ドラフトは魔法の調味料ではないですよ、
と釘を差されてるのは精通者ならではだと感じます。
24日目:レイメイ期のウォーゲーム 第三夜
著者:moon Gamer氏
代表作:?
正直、「ゲームデザインの話はどこへ行ったんだろう」と思いながら読みました。
ウォーゲームも当然ボードゲームの1ジャンルですので、
ウォーゲームの話をするのは構わないのですが、
歴史の話(というか月刊ホビージャパン誌面の変遷の話)がメインで、
完全にウォーゲームファンのためだけの記事になっています。
一応デザイン論的な部分を拾うと、
「ファンからの意見を取り入れるだけでは迷走するだけ」
という所くらいかなと思います。
記事デザイン自体は見やすく綺麗に書かれていて良かったです。
25日目:コンピュータプログラムによる自動テストプレイ
著者:fullkawa氏(Open Design Games)
代表作:Water Walker、Xan
日頃テスト設計をしている人ならではの観点で面白いです。
テストをする上で検証に必要な項目をあらかじめ決めておきましょう、といったテスト設計や
項目に対して合否を判定するための基準の考え方、参考になりますね。
とはいえ、何を持って「オッケ!」とするかは人それぞれ変わってくるのでしょうけど。
というテストの話は導入で、
テストプレイ用のフレームワークを開発中ですよ、という話の方が本命ですかね?
確かにプログラムで自動的にテストが出来るならこれほど楽なことはありません。
ただ、自動的にテストして、テスト結果(評価値)が返ってくるという事は、
今度はゲーム要素の変更に対する総当り評価がやりたくなりますよね。
そうすれば考え得る組合せにおいて最良の結果が分かります。
じゃあ、次はゲーム要素の組合せパターンを自動生成するプログラムを――
……なんだか、未来においては「プログラムがゲームを作る」という
マトリックスさながらの世界が待っていそうな気がしてきました。
とはいえ、試み自体はとても面白いので、
プロジェクトが今後どこへ向かっていくのかは楽しみですね!
のスナイパー記事として書きました。>(゚∀゚)<
・企画感想その7はこちら
・企画感想その6はこちら
・企画感想その5はこちら
・企画感想その4はこちら
・企画感想その3はこちら
・企画感想その2はこちら
・企画感想その1はこちら
上記アドベントカレンダーに関する他の方のコメントなどは、
ツイッターハッシュタグ「#bgdac」でも見ることが出来ます。ご興味のある方はどうぞ!
22日目:トスのインタラクション
著者:円卓P氏(数寄ゲームズ)
代表作:姫騎士逃ゲテ~
序文で界隈を指して「ゴールドラッシュ」という表現が全く同感だったので笑いました。
ただしこの界隈に埋まってるのは金ではなく夢とか浪漫ではありますけど。
とはいえ、現代で夢が見られるのは貴重です。遊園地を回るのと同じですね。
さて本論に入って、ドイツゲームの分析、特に『トス』に関するお話です。
よくドイツゲームの特徴に関しては、
「テキストレスである」
「木製のコンポーネントがよく使われる」
「古代・中世テーマ、あるいはノンテーマが多い」
みたいな切り口で語られることが多いのですが、
いずれも表層的な部分でいまいちピンと来ないことが多いです。
しかし今回のお話は特有のインタラクションに関して掘り下げた話になっており、
なるほどなーと感心させられました。
要するに、「自分の行動が他の人間の得になるようにルールが作られており、
出来るだけ得を薄くするよう考えて行動を決めねばならん」という訳です。
「相対的に損をさせる」のであれば直接攻撃要素があった方が分かりやすいのですが、
あえて遠回しなインタラクションをドイツゲームが好むのは、
背景に国民性、ひいては戦争の歴史があるのかな、と思うのは考えすぎでしょうか?
この辺は日本も似たところがあるのか、直接攻撃を嫌う人は多いですよね。
ドイツゲームに関してこれまでにない斬新な切り口で、大変勉強になりました。
こういった有益な分析が増えればドイツゲームももっと増えると思います!(゚∀゚)
23日目:ドラフト式ボードゲームのドラフトの仕組み(システム)について考えてみる
著者:坂下氏(Power9Games)
代表作:ひつじとどろぼう、Dragon's Stone
ドラフトゲームをメインに作られてる方ならではの記事ですね。
世の中にはブラフゲームを専門に手がけてるデザイナーもいらっしゃいますが、
こういった一芸を極める戦略もありなのかもしれません。
この記事には濃厚なノウハウが詰め込まれており、読み手として大助かり。
ここまで手の内見せちゃって良かったんでしょうかw
個人的にはドラフトテクニックの紹介が一番ためになりました。
普段みんなそんな事考えてドラフトしてたのね、と。
その後にはこういったテクニックを活かすための観点で
デザイン論が語られているのですが、ほんと至れり尽くせりですね。
読んでるとドラフトすげぇ!という気分になってくるのですが、
きっちり「大富豪でドラフトをやったら大味になるだけ」と言及してあって、
ドラフトは魔法の調味料ではないですよ、
と釘を差されてるのは精通者ならではだと感じます。
24日目:レイメイ期のウォーゲーム 第三夜
著者:moon Gamer氏
代表作:?
正直、「ゲームデザインの話はどこへ行ったんだろう」と思いながら読みました。
ウォーゲームも当然ボードゲームの1ジャンルですので、
ウォーゲームの話をするのは構わないのですが、
歴史の話(というか月刊ホビージャパン誌面の変遷の話)がメインで、
完全にウォーゲームファンのためだけの記事になっています。
一応デザイン論的な部分を拾うと、
「ファンからの意見を取り入れるだけでは迷走するだけ」
という所くらいかなと思います。
記事デザイン自体は見やすく綺麗に書かれていて良かったです。
25日目:コンピュータプログラムによる自動テストプレイ
著者:fullkawa氏(Open Design Games)
代表作:Water Walker、Xan
日頃テスト設計をしている人ならではの観点で面白いです。
テストをする上で検証に必要な項目をあらかじめ決めておきましょう、といったテスト設計や
項目に対して合否を判定するための基準の考え方、参考になりますね。
とはいえ、何を持って「オッケ!」とするかは人それぞれ変わってくるのでしょうけど。
というテストの話は導入で、
テストプレイ用のフレームワークを開発中ですよ、という話の方が本命ですかね?
確かにプログラムで自動的にテストが出来るならこれほど楽なことはありません。
ただ、自動的にテストして、テスト結果(評価値)が返ってくるという事は、
今度はゲーム要素の変更に対する総当り評価がやりたくなりますよね。
そうすれば考え得る組合せにおいて最良の結果が分かります。
じゃあ、次はゲーム要素の組合せパターンを自動生成するプログラムを――
……なんだか、未来においては「プログラムがゲームを作る」という
マトリックスさながらの世界が待っていそうな気がしてきました。
とはいえ、試み自体はとても面白いので、
プロジェクトが今後どこへ向かっていくのかは楽しみですね!
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