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2017.08.14 (Mon)

『ナショナルエコノミー・メセナ』レビュー

販売:スパ帝国
作者:スパ帝
1~4人向け、約30分
ナショナルエコノミー・メセナ 公式紹介

重厚大型:☆☆☆★☆:遊び易い
幸運頼み:☆☆★☆☆:戦略判断
独立気楽:☆☆☆★☆:絡み合い
安価素朴:☆☆☆★☆:高級豪華

総評:
前作「ナショナルエコノミー」からの続編。
続編といっても基幹システムが共通なだけで、独立拡張として単体で遊べる。
(前作のカードと混ぜて遊ぼうと思えば遊べるが、推奨はされていない)

いわゆるワーカープレイスメントゲームで、自分のワーカーを全員共有の中央の職場へ
早い者勝ちで派遣していき、お金や資源を稼いで、さらに手持ちのワーカーや施設を増やして…
といった拡大再生産を楽しむ。経営者として短時間でPDCAサイクルをぐるぐる回せるのだ。

ナショナルエコノミーシリーズの特徴としては、世界に出回るお金に最初上限があることだろう。
(一般的なワーカープレイスでは獲得リソースに上限はない)
作中で『家計』と呼ばれてるためそのまま使うが、例えば家計に10$しかない状態で、
「12$得る」というアクションは実行できない。「8$得る」なら実行できる。
どうにかして家計を増やさないことには、そもそも世の中に出回るお金が増えないのだ。
家計を増やす方法は唯一、「自分の施設を売却した」時だけである。
この時は家計からお金を得るのではなく、外世界からお金を得る(※上限はない)。
さながら、国内に出回る資金を、外貨獲得によって拡張するような話である。
このことからナショナルエコノミーは「ミニマム経済を抽象化したゲーム」と言われる。

ではメセナになってさらに何が変わったかと言うと、勝利点トークンと外部参照要素が増えた。
外部参照要素とは「~する。◯◯があればさらに~する」といった強化条件である。
これにより何を残し何を捨てるかという取捨選択がより迫られるようになり、
かつ「今何が引きたいか」も定まるためドローに力が入りやすくなった。
勝利点トークンは持っているとゲーム終了時に加点されるというよくある要素だが、
「基本1枚1点、3枚ある場合まとめて10点扱い」、という増え方がピーキーで、
これも何とかして綺麗に3枚セットを作りたくなってしまう。
「こうしよう(こうしたい)」の心理誘導がうまいゲームだという印象がある。

レビューとは別で、数回プレイしてみたゲーム感に関するコメント:
とにかく建物の価値が高いゲームなので、毎ラウンドどうにかして「何かを建てる」が重要。
そのためには共有場の大工とは別に、自分専用の建設アクションをキープしておきたい。
(いくら資材が潤沢にあっても、他プレイヤーに大工を先に取られては何も建てられない)
特に優秀なのが「宮大工」で、低コストで建てやすく、アクションで勝利点トークンも付いてくるため、
これを回してるだけでかなりの強ムーブ。勝利点トークン参照の大聖堂に繋げられれば勝ったも同然や!


ここがスゴイ:
・カードだけで遊べるコンパクトなワーカープレイス。効果も1~2行レベルで遊びやすい。
・どういった方針で自分の資産を拡大するか、濃密な計画&実行が味わえる。

ここがアカン:
・建物の建設コストには開きがあり、やはり序盤に引きたいカード・後半に引きたいカード、
 つまり引き運に左右される面がどうしてもある。
・お金の出し入れがかなり頻繁で、「今家計にいくらある?」とかの確認が都度入ったりで面倒。
 ここの処理に関しては明らかにデジタルの方が向いてる
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